根拠のない自信を持つと成功するのか
根拠のない自信を持つ人がいる。
あなたのまわりにもいると思うが、このタイプの人をどう思うだろうか。
うざいと思う、勘違いしていると思う、幸せそうだな…と思う、自分がそうではないので羨ましいと思う…人によりいろいろあるだろう。では、自分もこの種の自信を持った方がいいのだろうか。
根拠のない自信を持てば、私生活やビジネスにおいて成功しやすくなるのだろうか。
今回は、根拠のない自信について書いてみたい。
目次
根拠のない自信はうざい
根拠のない自信を持つ人を「うざい」と感じることがある。
知人でこのタイプの人がいるが、正直「うざい」と思うことがある。
※憎めないところがあり、悪い人ではない。
その人のことをWさんとしよう。Wさんは、まわりの人より知識と経験が劣っていても、なぜか自信満々で物事に主体的・積極的に関与しようとする。「この話にお前が口を出すとややこしくなるから控えてくれよ…」という場面でも口を出す。だから、「うざいな…」と思ってしまう。
※ただし、主体的・積極的な姿勢は評価できる。
この自信を持つデメリットは
自己評価が…
この自信を持つ人の欠点は、「自己評価が高すぎる」ということだ。
自己評価が高すぎるため、先に述べたように、まわりの人より知識と経験が劣っていても、なぜか自信満々で物事に主体的・積極的に関与できるのだ。その前向きな姿勢は評価できるとしても、まずいこともある。それは、事前に口先で述べたことと行動した結果の乖離が大きくなることだ。
実際にやらせてみた
あるプロジェクトをWさんに任せてみた。
わたしは、Wさんがそのプロジェクトのリーダーとして適任ではない、と思っていた。
知識と経験が不足しているためだ。
だが本人にはそんな認識はなく、やる気と自信満々で「自分ならできる」、「自分にやらせてほしい」と手を上げ続けていた。だから、(それならば…と)あえてWさんに任せてみたのだ。
結果はわたしの想像どおりで、成果物は質の低いものになった。
イラッとする…(笑)
だがWさんは、なぜか成果物に対しても自信満々だった。
本気で、自分の力で「いいものができた」と満足していたのだ。
つまり、その仕事に対する知識と経験が不足しているため、成果物の質を適正かつ客観的に評価できないのだ。さすがに、Wさんの手柄を立てた的な態度にはイラッとした(笑)。それ、全然よくないんだけど…。
※わかっている人も「仕方ないね…」┐(´д`)┌ という感じだった。
信用を失うことも…
事前に口先で述べたことと行動した結果の乖離が大きくなると、信用を失うことになる。
根拠のない自信を持つ人は、その自信からか大風呂敷を広げる傾向がある。
最初はまわりの人も「それはすごいね~」という印象を持つが、結果が伴わなければ、口だけじゃん、ただのハッタリじゃん…と看過する。そして、まわりの人はその人を信用しなくなる。
だから、焼き畑農業的に、どんどん自分の居場所を変える…ということになる。
この自信を持つメリットは…
頑強な自信を持てる
根拠のない自信は、頑強な自信になる。
根拠のある自信であれば、その根拠が揺らいだとき、自信も揺らいでしまう。
だが、根拠のない自信であれば、そんなことはない。つまり、その自信は頑強なのだ。
自信というのは、ないよりはある方がいい。自信がなければ、知識と経験があっても表現できないが、自信があれば、そんなことにはならない。知識と経験がなくても堂々と表現できるのだから。
※常に前向きの姿勢を保つことができる。
自分のペースにできる
根拠のない自信があれば、自分のペースで行動できる。
Wさんは、終始自分のペースで行動して、結果にも満足した。
ほかの人より知識と経験が劣る彼がプロジェクトのリーダーになれたのも、その自信があったためだ。自信満々で堂々と話せば、(相手が信用するため)自分のペースで物事を動かしやすくなるのだ。
※はったりが看過される前の段階であれば…だが。
経験値が上がることに
その結果、経験値が上がることになる。
Wさんは、プロジェクトのリーダーとして適任ではなかったが、その任を果たすことができた。
彼より適任の人はいたし、わたしを含めWさんの着任を阻止することのできる人は何人かいたが、結局、「手を上げ続けているやる気と自信満々の彼に任せてみよう…」ということになった。
こうして彼は、自分の経験値を上げることに成功した。
運に恵まれているか?
松下幸之助さんは、面接で「あなたの運はいいですか」と尋ねたそうだ。
そして、「運が悪い」と答えた人を落とし、「運がいい」と答えた人を採用したそうだ。
根拠のない自信を持つ人は、自分は「運がいい」と答えるだろう。運がいい根拠などは必要ないためだ。このタイプの人は、自己肯定感が高いため、自分を「運が悪い人」にはしないだろう。
その結果、チャンスを掴みやすくなる、ということがある。
ボトルネックの問題が
この自信を持てば、自信のなさがボトルネックになる、という問題を解決できる。
自信のなさがボトルネックになる、ということはありがちなことだ。
自信がないので、発言・表現をやめておこう、行動をやめておこう…ということは普通にある。
たとえば、会議の席で、自分より詳しい人がいるので発言を控えよう、キャリアの問題では、落ちるのが嫌だから、確実に受かる学校・会社だけ受けてみよう、などと、自分の可能性を自ら限定してしまうことがある。
これは、自信のなさがボトルネックになっている、という状態だ。
本人が「幸せ」である
この自信を持つ人は、幸せなのだろうと思う。
自分に自信があれば、自己肯定感やセルフイメージが高くなる。
その結果、劣等感に苛まれる…ということがなくなる。また、自信の根拠を探し求める必要がないし成功を積み重ねて根拠を固める…という作業もいらない。自信が揺らぐこともない。
なので、楽しく幸せに暮らすことができるだろう。
根拠のない自信を持つ - サマリー
まとめ
今回は、根拠のない自信について書いてみた。
この自信を持つことには、メリットとデメリットがある。
デメリットは、「うざいと思われる、信用を失うことがある」で、
メリットは、「頑強な自信を持てる」、「自分のペースで行動できる」、「経験値を上げることができる」、「チャンスを掴みやすくなる」、「ボトルネックの問題を解消できる」、そして、本人が幸せである、ということだ。
※項目だけ見ると、メリットが勝るような気がする(笑)。
根拠のない自信を持つと成功するのか、という問いに対しては、デメリットを上手く抑えれば(限定できれば)そうなるでしょう…という答えになる。
ただの「信用できないうざいやつ」になってはいけない。元々自信のない人がこの自信を上手く取り入れても、成功する確率が上がるだろう(あれこれ深く考えずに実践してみればいい)。
※成功云々は別にして、「本人が幸せである」というのは、結構ポイントが高い。
今回の記事:「根拠のない自信を持つと成功するのか」