人であれば、怒りを感じることがある。
そんなとき、あなたはその怒りをどのように取り扱うだろうか。怒りに身を任せて行動していないだろうか、険しい顔をしたり、悪態をついたり、モノにあたったりしていないだろうか。
険しい顔までは、なんとかセーフかもしれないが、悪態をついたり、モノにあたったり…は、アウトになる。もちろん怒ってもいいのだが、その怒りをコントロールする必要があるのだ。
今回は、「怒りをコントロールする実践的な方法」について書いてみたい。
目次
- 目次
- なぜ怒りがこみ上げるのか
- 怒ってもいいことがない
- 5つまでは許容しよう…とする
- わからないようにアウトプットする
- 相手の事情を考える
- 他人への期待値を下げる
- 怒りを押さえつけるのではない
- まとめ
なぜ怒りがこみ上げるのか
なぜ、唐突に怒りの感情が湧いてくるのか、だが、
よくある原因は、「自分が理不尽な取り扱いを受けた」というものだ。
よくある出来事としては、あいさつをしたが無視された、コミュニケーションを取ろうとしたが嫌な対応をされた、ビジネスでもあることだが、相手が強い立場を利用してこちらに損害を与え、それを自分の利益にした、などということがある。
先日わたしが経験したことだが、車が一時停止を無視して強引に進み、歩行者であるわたしにかなりの危険を感じさせた、ということがあった。横断歩道を渡っている最中に、車が目の前を通り過ぎるなんてことも、めずらしいことではない。
このように、「自分が理不尽な取り扱いをされた」と感じると、怒りたくなるものだ。
※自分の感じ方の問題ではある。
怒ってもいいことがない
怒りをコントロールすべき理由だが、怒ってもいいことがないためだ。
まず、身体によくない。血圧が上がり体に負担がかかるし、メンタルもおかしくなる。
怒ると感情的になるので、合理的な行動がとれなくなる。たとえば、腹の立つ出来事があると、悪態をついたり、モノにあたったりしがちだが、その様子を見た第三者は、あなたに対する評価を下げる。誰も見ていないと思っても、こういう時は誰かが見ているものだ(苦笑)。
※カッとなった時は、自分の怒りをまわりに見せつけたい、と思うことすらある。
非合理的な行動をとると、あとで後悔することになる。「やっちまった…」ということで、その日はもちろん、数日、数週間引きずることもある。後悔して引きずることは、最悪である。
「短気は損気」とは、よく言ったものだ。
5つまでは許容しよう…とする
怒りをコントロールする具体策だが、
まずは、日々腹立たしい出来事があることを前提にしておく。
そして、あらかじめ「1日5件までは許容する」と決めておく。
実際に腹立たしいことがあれば、「はい、今日の1件目」としてカウントする。
たとえば、朝の出勤時に近所の人にあいさつをしたが無視された…という出来事があれば、「はい、今日の1件目(笑)」として指を折りカウントする。「まだ4件キャパがあるから大丈夫」とすれば、朝っぱらから腹立たしい出来事があっても、精神的に余裕を持って対処することができる。
「ある」こととしてあらかじめ想定し、精神的な余裕を作っておけばいいのだ。
※あらかじめ「懐(ふところ)を深くしておく」ということ。
わからないようにアウトプットする
第三者にわからないように、感情をアウトプットして発散する、という方法もある。
先に述べたように、怒った結果、自分の評価が下がることは、大きなマイナスになる。
だから、悪態をつくとか、モノにあたることはNGになる。舌打ちしても第三者に聞こえるためよくない。それらの代わりに、<第三者にわからない形で>怒りの感情をアウトプットして発散すれば、問題がなくなる。
たとえば、上で述べた「指を折る」という行為もアウトプットになる。または、指を弾くような動作でもいいだろう。中指を弾くことで怒りをアウトプットして吐き出す、ということでもいい。
なぜ中指かは、ご賢察のとおりだ。
相手の事情を考える
相手の事情を考える、という方法もある。
少し冷静になれば、「相手の事情を考える」ことができるようになる。
たとえば、「あいさつを無視された」ということであれば、誰ともコミュニケーションを取りたくない人ではないか、自己肯定感が低く、あいさつをされたことに戸惑い、うまく反応できなかったのではないか、などと相手の事情を考えることができる。
もちろん、お前にあいさつを返す必要はない、と考えたのかも…とすることもできるが(笑)。
そう考えると腹が立つので、自分にとって都合よく考えた方がいいだろう。
他人への期待値を下げる
他人に対する怒りは、期待するから生じるものだ。
他人は自分に対し誠実に対応してくれるだろう、わたしを尊重してくれるだろう、わたしの利益のことも考えてくれるだろう、そう考えていると、その期待が裏切られたときに、怒りを感じることになる。
人は自分の利益を第一に考えるものであり、他人の損失が自分の利益になる場合、他人の損失を意に介さず自分の利益を取りに行く人も普通にいる。また、普段は良い人でも、物理・精神的に余裕がない場合は、悪い人寄りにシフトすることもある。
だから、他人への期待はほどほどにしておいた方がいいのだ。
怒りを押さえつけるのではない
怒りは、無理に押さえつけるのではなく、コントロールする。
怒りをコントロールできるようになると、まわりからも大人として評価されるようになる。
以前、みんなの前で怒りに任せ部下を罵倒する、という上司がいたが、このようなことを一度でもしてしまうと、罵倒された側から一生恨みを買うことになる(自分に非があっても、みんなの前で恥をかかされたことは許すまじと思う)。さらに、まわりからも「なんだあの人は…」という目で見られるようになる。怒りをそのまま表現すると、「短気は損気」になってしまうのだ。
怒りというものは、封じ込める必要はないのだが、コントロールする必要はあるのだ。
まとめ
今回は、「怒りをコントロールする実践的な方法」について書いてみた。
わたしたちは感情を持つ人だから、怒ってもいいのだが、怒りをコントロールする必要がある。
今回の記事で述べた具体的な方法は、1)怒ることの損をよく理解する、2)5つまでは許容しよう…とする、3)わからないようにアウトプットする、4)相手の事情を考える、5)他人への期待値を下げる、の5つになる。
1)怒ることの損を理解する、だが、「損」だとわかっていても、怒ってしまうことがある(笑)。怒る時は感情的になるし、損と言っても目に見えるわかりやすい損ではないからだが、その場でクレジットカードが入った財布を落とすぐらいの損になる、と考えよう。
※なぜ、クレジットカードかと言うと、信用を落とすためだ。
わたしが実際に使って特に有効だと思うのは、2)5つまでは許容しよう…とする、だ。
先に述べたように、実際に腹立たしいことがあれば、「はい、今日の1件目」として指折りカウントする。そして、まだ4件キャパがあるから全然大丈夫。「まだ、余裕があるね」と思う。
そうすると、自信や安心からか表情がやわらかくなるのがわかる。不思議なものだ。
今回の記事:「怒りをコントロールする実践的な方法を書く」