あなたの知人にも、怒りっぽい人がいると思う。
学生のとき同じクラスに、みんなから「オカー」と呼ばれるクラスメートがいた。その子は癇癪もちで、普段から怒りっぽいので有名だった。
英語の時間に、教師がoccur(オカー)という単語の意味は「おこる」だと説明した瞬間、クラスが大爆笑になったことを覚えている(笑)。occurは「起こる」という意味だが、われわれは「怒る」ととって、笑いが起きたのだ。
今回は、怒りっぽい人の心理と特徴を書いてみたい。
目次
感情が優先してしまう
感情が優先するタイプの人は怒りやすい。
怒ることが人間関係においてマイナスに働くであろう、ということは多くの人が理解している。
怒ると言葉や行動の選択を間違えやすくなり、相手の人格を攻撃するなど、取り返しのつかないようなことをしてしまう可能性があるし、「あの人はちょっと…」ということで、まわりの人が近づかなくなってしまうためだ。だがそのことが頭でわかっていても、怒ってしまうのだ。
※「理性<感情」になりやすい人が怒る。
未熟な人である
その原因は、「理性よりも感情が優先してしまう」ということだ。
気質的に感情が優先するタイプで、自分の感情を自制する方法を知らなければ、感情的な人になるだろう。大人と子供を比較した場合、子供の方が感情的だ。それは、子供がまだ未熟で自分の感情を自制する方法を知らないためだ。
したがって、大人で感情的な人は、未熟な人だとすることができる。
ストレスを感じやすい
ストレスを感じやすい人は、感情的になりやすい。
理性的な普通の人でも、ストレスを感じる環境に身を置くと、感情的になりやすい。
たとえば、タバコ嫌いの人が間接喫煙を強いられる環境に身を置くと、イラッとして感情的になってしまう。渋滞に巻き込まれ、急いでいるのに遅々として進めないという状況であれば、イライラするだろう。
怒りの沸点が低い人である
ストレスを感じやすい人は、このイライラするポイントが低い。
これは、怒りの沸点が低いということだ。普通の人であればストレスを感じない状況でも、ストレスを感じてイラッとしてしまうため、まわりの人からみると、「耐性のない怒りっぽい人だな」ということになる。※ストレスに対する感受性が高い、としていいだろう。
不満を感じやすい
不満を感じやすい人も、感情的になりやすい。たとえば、完璧主義者は不満を感じやすい。
完璧が基準になるため、自分に対しても他人に対しても求める水準が高くなる。その結果、理想と現実のギャップを見るにつけ、不満を感じるようになるのだ。完璧主義者の上司やリーダーは、不機嫌そうな顔をしていることが多いはずだ。
人に対する不満であれば、「なぜあなたはこうしないのか」というものがある。
自分はやるべきことをしているが、なぜあなたはしないのか…ということだ。「こうすべき」という自分の考えがあり、他人に対する勝手な期待もあるため、こういう不満を抱きやすくなるのだ。
※なぜ自分は認められないのか…という不満もあるだろう。
プライドが高い
不要なプライドの高い人は怒りやすい。
このタイプの人は、自分が軽くみられると激怒する。年齢の高い中間管理職あたりに多いのではないだろうか。目下のものが自分を軽くみたり、揶揄するような言動をとったと感じれば、その感覚が合理的か非合理的かについて深く考えることなく、自分の主観をもとに激怒する。
※自分のプライドを守るためにそうする。
以前、中途半端に偉い人は(不要な)プライドが高く、少しでも失礼なことをすると激怒するので、接する際に気を遣う…と話している人がいた。この話に深く共感したことを覚えている。
中途半端ではなく、本当に偉くなるとそういう人はいなくなる。裏を返せば、不要なプライドを持った人は中間管理職どまりで、それ以上は偉くなれない…ということだろう。
相手に勝ちたいと思う
怒りっぽい人は、相手に勝ちたいという気持ちがある。
極端な話で考えてみよう。怒鳴りつけるという行為がある。怒鳴りつけるという行為は、怒鳴りつけることにより、相手を押さえつけ有無を言わさず屈服させる、ということだ。
上で、不要なプライドの高い人が「自分を軽くみたり、揶揄するような言動をとったと感じれば、その感覚が合理的か非合理的かについて深く考えることなく、自分の主観をもとに激怒する」と書いた。
なぜ、その感覚の合理性について深く考えることをしないかといえば、自分のプライドを守ると同時に、「相手に勝つ」、「相手を屈服させる」という己の目的があるためだ。これらの目的が強烈なため、自分の感覚の合理性などは、勢いどうでもよくなってしまうのだ。
※相手に勝つことを目的にすると、理性が曇る。
コミュ力が低い
怒りっぽい人は、コミュ力が低い。
怒るという行為は、コミュニケーションのひとつの手段だ。
だが、怒りをあらわにして相手に不快感を伝えるというのは、いかにも未熟な手段だ。未熟な子供であれば許されても、大人の場合は許されない…と考えた方がいいだろう。
というのは、怒りを使わなくても、ほかに優れた手段があるからだ。怒れば反発・陰口などの反作用があるが、ほかの手段を使えばその種の反作用はない。
たとえば、上司であれば部下に対し「どうしてそんなことができないんだ!」と怒るよりは、具体的にこうしてほしい(こう改善してほしい)と指示するか、失敗した原因を話し合う、達成すべき目標を話し合い変更する、などという手段をとった方がはるかに建設的だろう。
※自分の気持ちを伝えたければ、Iメッセージを使えばいい。
まとめ
今回は、怒りっぽい人の心理と特徴を書いてみた。
今回の記事で書いたのは、1)感情が優先してしまう、2)ストレスを感じやすい、3)不満を感じやすい、4)プライドが高い、5)相手に勝ちたいと思う、6)コミュ力が低い、の6つだ。
怒りっぽい人は、不器用で繊細で負けず嫌いでコミュ力が低い…と言えそうだ。
その結果、怒りの沸点が低い、という好ましくない形になってしまう。こういうタイプの人は、まわりの人に気遣いを強いてしまう。もともと人生が上手く行き難いタイプだが、怒りっぽくなることでさらに輪がかかってしまいそうだ。※人間関係の問題が生じやすくなるためだ。
今回の記事:「怒りっぽい人の心理と特徴6つ」