コミュニケーションが苦手な人は、結構いると思う。
ある調査結果は、そう考える人が全体の7割程度いることを示している。かなり多い数字だ。
外向的な人は全体の75%程度いるので、その点から考えると意外でもある。外向的ではあるが、外向度が低い人の中に、「自分はコミュニケーションが苦手」と考える人が結構いるのだろう。
今回は、この苦手の原因について書いてみたい。
目次
コミュニケーションが苦手…
コミュニケーションが苦手な人は、こう考えている。
談笑の場は苦痛でしかない、相手の話を上手に聞けないし、相手に上手く伝えることもできない、アイコンタクトが苦手だ、人前で話すことが好きではないし苦手、特に話したいと思わない。
好きでもない他人とは、必要最低限の会話で済ませたい。自分から話しかけるのが苦手、理路整然と話すことができない、相手の反応が気になる、自分のせいで場が気まずくなるのは嫌、コミュニケーションで傷つくのは嫌なので、あらかじめその状況を避けたい…など。
※自分の話には価値がない、と考えることもある。
苦手な原因は…
相手の話を聞けない
会話が苦手な人は、相手の話を上手に聞くことができない。
相手の話を上手に聞くためには、相手の方を見てアイコンタクトをしなければいけないが、そもそもアイコンタクトが苦手なので、その体勢をとることができない。
下を向いて(目を合わさずに)聞くことはできるだろうが、そうすると相手は不審に思う。コミュニケーション下手な人は、その相手の感情を敏感に感じ取り、心をざわつかせ、ますます聞けなくなる…という悪循環にはまる。
また、自分が会話下手だと相手に悟られたくない、自分のボロが出ないうちに早く会話を終わらせたい、という思いから、相手の話をじっくり聞けなくなる、ということもある。
成功体験が少ない
コミュニケーションが苦手な人は、そこにおける成功体験が少ない。
成功体験が少ないので、苦手意識を持ってしまうのだ。
逆に、失敗体験であれば豊富に持ち合わせている(笑)。相手の話を聞けなかった、自分が話すべきときに話せなかった、とにかく言葉が出なかった、自分のせいで場の雰囲気がおかしくなった。
相手が変な顔をした…など。わたしも入社当時、はるか上の人に、「君は人の話を聞かないね」と言われたことがある(笑)。これは、とても恥ずかしいことだ。情動が伴う負の体験というのは記憶に残りやすいので、くすぶりながら長く本人に負の影響を与え続ける、ということがある。
自己愛が強すぎる
会話が苦手な人の中には、自己愛が強すぎる人がいる。
自己愛が強すぎると、「自分の話には価値があるので、相手は真摯に聞かなければいけない」と思う一方で、「相手の話には、自分の話ほど価値はない」、「聞かなくていい」と思ってしまう。
そうなると、自分の話であればペラペラと話すが、相手の話は軽視する、ということになる。そして、自分は相手の話を軽視するのに、(逆に)自分の話を相手に軽視されると、気分を害する。
要するに、コミュニケーションにおいて自己中になってしまうのだ。
警戒心が強すぎる
コミュニケーションが苦手な人の中には、警戒心が強すぎる人がいる。
相手に対する警戒心が強ければ、当然口数も減ってしまう。自分の情報は開示せず、聞かれることに短く答えるか、自分が聞かれてもいいような質問を相手にするだけ、ということになる。
警戒心が強ければ、会話の内容に(必要以上に)気を遣うことになる。「言ってもいいこと」とそうでないことを、慎重に仕分けしながら会話することになるので、レスポンスも遅くなる。
盛り上がらない会話になることは、間違いない(笑)。
会話に完璧を求める
会話が苦手な人の中には、そこに完璧を求める人がいる。
以前、長い話でも、(全く)言い淀みや言い詰まり、言い間違いなく、理路整然と話す人を見たことがある。とても頭のいい人だと思うが、こんなスーパーな人であれば、コミュニケーションに完璧を求めてもいいのだろう(笑)。
※能力的に可能なのだから。
だが、普通の人が完璧を求めると、ミスを避けるために話が短くなってしまう。極端な話、「はい」、「いいえ」であれば、ミスがなく完璧だが、言葉が短くなると会話は上手くいかない。
※ミスに対する警戒心・羞恥心が強すぎる、ともいえる。
最善の回答を求めすぎる場合も…
相手の話に対し、最善の回答を求めすぎる場合もある。
相手の話に対し、どう答えようか…と考えるとき、いくつか選択肢が浮かぶ。たとえば、相手が部分的には正しいが、本質的には間違ったことを言ったとしよう。そのとき、どう答えるかだ。
1)大事なところを間違っているのだから、否定し訂正する、2)正しいところを正しいと評価したあとに、間違いを訂正する、3)共感だけに留め、間違いをあえて訂正しない、の3つある。
相手との関係性や、否定や訂正することが相手の感情に与える影響を考えながら、回答を選択するが、それらを考えているうちに回答するタイミングを失い、話が流れる…ということがある。
相手の影響を受けやすい
コミュニケーションが苦手な人の中には、相手の影響を受けやすい人がいる。
相手がとても偉い人だったり、自分よりも有名・優秀な人であったり、気になる異性であったりする場合、緊張などから上手く会話できない…という人は、結構いるだろう。
序列意識や自意識、自尊心の低さなどが原因で、そうなってしまうのだ。
自尊心が高ければ、相手に「圧」があっても、圧を圧と解釈しないので、それをまともに受けることはない。だが、自尊心が低ければ、モロに圧を受け萎縮してしまう。緊張から言葉が出ない…という状態になってしまう。
端的にいえば、自分に自信がないから、相手の影響を受けやすくなるのだ。
コミュニケーションが苦手な原因 - サマリー
まとめ
今回は、コミュニケーションが苦手な原因について書いてみた。
今回の記事で書いた苦手の原因は、1)相手の話を聞けない、2)成功体験が少ない、3)自己愛が強すぎる、4)警戒心が強すぎる、5)会話に完璧を求める、6)相手の影響を受けやすい、の6つだ。
このほかにも、手持ちの語彙や表現のバリエーションが少ない、という原因もある。
そのため、咄嗟に言葉が出なくなったり、どう表現していいのか戸惑いフリーズしてしまうことがある。こういうネガティブな体験が、2番目の「成功体験が少ない」に繋がっていくのだ。
今回の記事:「コミュニケーションが苦手な原因6つ」