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いい文書を作るコツ|文書アウトプットは数日寝かせた方がいい

いい文書を作りたい…と思うことがないだろうか。

短い文書であれば、良い悪いの差はそれほど出ないが、長い文書になると、その差がはっきりしてくる。2,000~3,000字程度のブログの記事でも、良い悪いの差はあきらかになる。

今回は、いい文書を作るためのあるコツについて書いてみたい。

 文書は寝かせた方がいい

あなたは論文やレポート、企画書などを制作するとき、一気に書き上げ、その場でチェックし完了とするタイプだろうか?たしかに、そのやり方だと早く終わるような気がする。見た目のスピードという点では、申し分ないかもしれない。巧遅は拙速に如かず、にもかなう。

だが、そのアウトプットの品質はどうだろうか?後から見直して、自他ともに満足できるものになっているだろうか?必ずしもそうではないだろう。もし、あなたが一気に書き上げるタイプであれば、やり方を改めると、もっと質のいいアウトプットを制作できるかもしれない。

そこそこの分量の文書アウトプットであれば、数日寝かせた方がいいのだ。※スピードよりも質を求められるアウトプットであれば、数日寝かせた方がいいのだ。

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 夜書いた手紙は出すな

「夜書いた手紙は出すな」と昔からいわれているが、これはそのとおりだろう。

今では手紙をメールに置き換えて考えればいいと思うが、夜中に書き上げた告白メールをそのまま出せば、翌朝(読み返したとき)後悔することは間違いない(笑)。なぜこんな恥ずかしい内容を書いてしまったのか…と頭を抱えてしまうはずだ。

このことは、感情が自分を支配しているときに作るアウトプットにもあてはまる。※夜書く文章も、感情が何らかの影響を与えているのかもしれない(情緒面が研ぎ澄まされるからかも…)。

リンカーン大統領の手紙

リンカーン大統領の「出さなかった手紙」のエピソードをご存じだろうか。

人格者で知られるリンカーンだが、自分の指示をないがしろにした将軍に対し、怒りの手紙をしたためたことがある。しかし、その後冷静になりよく考えた結果、その手紙を出すのはやめたそうだ。※将軍がリンカーンの指示を守らなかったため、戦争の局面が悪くなってしまった。

「ミードへ将軍へ、けっして署名または送らない手紙」と書いて、封をして机の引き出しの、奥深くにしまってしまいました。
出典:リンカーンの「出さなかった手紙」

そのことが重大な(悪い)結果を引き起こしたため、リンカーンは激怒したと思うが、冷静さを取り戻し手紙を出さなかったこと、さらにその手紙を自己の今後の戒めにした…というところが、さすがだと思う。このように(感情に突き動かされるようにして)一気に書き上げたものをそのまま出してしまうと、後で後悔することが多いのだ。

 寝かせるといいことがある

音楽やスポーツの世界でも、寝かせるとアウトプットの質が上がるそうだ。

「休むとテクニックが落ちると思われがちだけど、そんなことはない。1日休んだ後にプレイすると弾けなかったはずのフレーズを弾けるようになっていることが多いんだ」という。
出典:第03回「アイデアはいったん寝かせてみる」

小説の世界でも同様のことがあるそうだ。

純文学系のある小説家から、小説の執筆について、こんな裏話を聞いたことがある。彼は、ひとつのアイデアが小説になるまでに、2度「寝かせる」というのだ。
出典:仕事の質を高めたいなら仕事を放り出せ

この小説家は、アイデアが閃いた時点で一度寝かせ、完成間近になってもう一度寝かせるそうだ。一度目はアイデアを客観的に評価するため、二度目は作品全体を客観的に評価するためのようだ。

こうなると、ジャンルにかかわらず、寝かせるといいことがあるようだ。

 集中すると視野が狭くなる

集中すると視野が狭くなる。このことは、多くの人が実感していることだ。

集中するとまわりのことが気にならなくなる…というが、それは視野が狭くなっているということでもある。たとえば、顕微鏡の倍率を拡大していくと、視認領域が狭くなる。グーグルマップの拡大でも同じだ(笑)。集中の深さと視野の広さはトレードオフの関係になっているため、集中してしまうとどうしても視野が狭くなってしまうのだ。

将棋や囲碁棋士は、狭く深く読むときは、かなり集中力を高めている。一方で、局面全体をながめて広く浅く読むとき(選択手の検討といった方がいいかもしれない)は、前者と比較すると、集中力を落としている。意図してやっているというよりも、人の生理としてそうなるのだ。

したがって、(集中して)アウトプットを一気に制作すると、目が行き届かずに「抜け」が発生したり、大して重要ではない部分をやけに強調していたりで、全体のバランスが悪くなる可能性がある。たとえば、風景画などを描くとき、あえて筆を止めて遠くから眺めてみる…ということをするが、これは狭くなった視野を広げる意味があると思う。全体を俯瞰し、バランスをみるのだ。

 寝かせることで「気づき」がある

寝かせることで気づくことがある。私はブログの記事を書くとき、1日で書き上げて即アップするということはしない。(複数の記事を同時に書きながらだが)数日かける。その間、記事のテーマが頭にあるので、「気づき」が発生することがあるのだ。

その数日間に、ああ、この記事にはあのエピソードがはまるな…というアイデアが突然浮かぶのだ。これは計算してできるものではない。もちろん、なにも浮かばないこともあるが、少なくとも寝かせることでアイデアが浮かぶ可能性は高くなる。

このとき浮かんだアイデアというのは、的を射ていることが多い。

(そのテーマについて)書くというプロセスがある程度進んでいる状態で浮かんでくるアイデアなので、そうなるのだろう。実際に、記事の重要なアクセントになることが多いのだ。

 内容の剪定(せんてい)ができるのは数日後になる

自分が書いたものを数日寝かした後に確認してみると、(当初見えなかった)不要な部分が浮かび上がってきたりする。「あれ、何でこんなことを書いたのだろう…」と思うことすらある。その結果、本当に必要な部分が明確になるのだが、この現象は脳の働きから説明できる。

脳に伝えられた情報というのは、脳の中で要・不要のレッテルを貼られる。「要」のレッテルを貼られたものは、脳の深部まで運ばれるが、「不要」のレッテルを貼られたものは、脳の浅い部分で留まり3~4日で消滅するのだ。

たとえるなら、必要な情報⇒HDD,不要な情報⇒RAM,と自動で仕分けされるのだ。

その結果、数日(3~4日)で頭の中が整理され、その整理された脳で自分が書いたものを確認すれば、(当初は見えなかった)不要な部分がはっきり見えてくる…ということだ。そして、その不要な部分を剪定すれば、スッキリしてよりいいアウトプットになることは間違いない。

文書アウトプットの質が上がることになるのだ。

 まとめ

論文やレポート、企画書などを短時間で一気に制作し完成とする人がいる。

この曲、この本実は、短時間で書き上げたんですよ…という話もよく耳にする。しかし、それではアウトプットの品質に問題が生じる可能性が高いと思う。そこそこの分量のアウトプットであれば、数日寝かせるメリットが大きいからだ。

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※想像だが、この曲、この本実は、短時間で書き上げたんですよ…という人は、話にインパクトを出すために盛っているか、短時間でメインの部分を書き上げたのは事実だが、(実際には)その後何度も手直しをして最終的な完成に至っており、後者の部分を伏せて話しているだけだと思う。

「夜書いた手紙は出すな」と昔からいわれているように、一気に書き上げたものをそのまま出してしまうと、後で後悔することが多い。特に感情が高ぶっているとき、それに任せて一気にアウトプットを制作しても、いいものができることは少ない。このことは、経験則として理解できる人も多いはずだ。

集中すると視野が狭くなる。たとえば、好きなドラマに集中すると、まわりで起こっていることに関心を向けることができなくなる。集中の深さと視野の広さはトレードオフの関係になっているため、集中してしまうとどうしても視野が狭くなってしまうのだ。

一気にアウトプットを仕上げるときには、かなりの集中が必要だが、そうすると、目が行き届かずに「抜け」が発生したり、大事な部分を軽視したり、さほど重要ではない部分に熱心になったりで、全体のバランスが悪くなる可能性がある。

寝かせることのメリットは、1)気づきがある、2)内容の剪定ができる、ということだ。寝かせていれば、その間に「気づき」が生じることがある。他のことをしていても、常にそのテーマが頭にあるため、何かのはずみでアイデアが浮かんでくる可能性があるのだ。

内容の剪定ができる、というのは脳の働きと関係がある。

3~4日で、脳は情報の仕分けを行う。情報の仕分けが終わってスッキリした状態の脳で自分が書いたものを確認すれば、ダメな点がはっきり見えてくる。そこで、不要な部分を剪定し、バランスを整えれば、よりいいアウトプットになるのだ。