不器用な生き方をやめたい

人の心理や特徴を踏まえて合理的に行動したい

相手の間違いを指摘するときの言い方

相手の間違いを指摘したい、ということがあると思う。

そのとき、どのような言い方をすればいいか、というのは、自分と相手の関係性にもよる。

ここでは、自分とは「親しい人ではない」ケースについて考えてみよう。相手が上司など、コミュニケーションに気を遣うケースについて考える。※上司の間違いを指摘するのはむずかしい。

今回は、相手の間違いを指摘するときの言い方について書いてみたい。

目次

誤りをストレートに指摘する

相手の誤りを、ストレートに指摘する人がいる。

人の欠点に注目するタイプの人は、相手の誤りをすぐに指摘しがちだ。

このタイプの人は、人一倍コンプレックスを抱えていながら、負けず嫌いなので、相手の誤りを声高に指摘することにより、相手より優位に立とうとするのだ。

※誤りを指摘することで、マウントしようとする。

完璧主義ゆえ放置できない

また、相手の誤りをそのままにしておくのは、気持ちが悪い…という人もいる。

このタイプの人は、ある意味完璧主義で、 相手の誤りをそのままにしておくのは、気持ちが悪いのだ。「完璧主義」という自己気質からの要請が強く、相手の間違いを正したい、という気持ちを抑えることができないのだ。なので、相手が上司であっても、誤りを率直に指摘する。

※自分の気持ちの悪さを、放置できないのだ。

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ストレートに指摘するのは得策ではない

だが、相手の誤りをストレートに指摘するのは、得策ではない。

そうすることにより、相手のプライドを傷つけてしまうことになるからだ。

もちろん、間違いを正すことは、正しいことだ。本来であれば、相手から感謝されるべきことだろう。だが、そう理屈どおりにいかないのが、人の感情であり、人の感情が大きな変数になる人間関係だ。

相手のプライドを傷つけてしまえば、相手は感情を害し、怒りを抱くこともある

特に相手がプライドを重んじるタイプであれば、間違いを正した方が(理不尽だが)損をすることになる。自分と親しい人でなければ、「プライドを重んじるタイプ」とみなして接する方が間違いがない。※不要なプライドではあるが、相手のプライドをコントロールすることはできない。

これは、自分を守るためにも必要な考え方だ。

何も言わない

相手の間違いに気づいても、何も言わない人がいる。

ささいな間違いであれば、何も言わなくてもいいのかもしれない。※不親切ではあるが…

メディアでも、相手のささいな間違いをスルーするシーンを目にすることがある。視聴している方は、なぜ明らかな間違いを正さないのか…と思ったりするわけだが(笑)。

だが、たとえば相手が上司の場合、その間違いをベースにして、話を乗せてくることがある。その場合は、乗せた話も間違いになるので、早い段階で正す必要がある。間違いを放置しておくと、話があらぬ方向に進んでしまう。この場合は、後述する方法で、間違いを指摘すべきだろう。

スルーしてネタにする人も…

その場では相手の間違いをスルーして、後でネタにする人がいる。

間違いをネタにして上司をこき下ろし、憂さ晴らしをする…相手がひどい上司であれば、悪くないアイデアだが(笑)、やめておいた方がいいだろう。

自分の社内におけるブランドを、毀損することになるからだ

その種の話は流れやすいし、情報の発信元も特定されやすい。その上司の耳に入るだけではなく、ほかの上司の耳にも入るのだ。彼(女)らに上司を揶揄する人物だ、と見なされるかもしれない。そうなれば、(ワーストケースでは)上司全体を敵に回すことになりかねない。

自分で自分の信用を貶めるような行動は、慎んだ方がいい。

上手な指摘の仕方

上手な指摘の仕方はこうだ。

1)理解 or 共感する
2)わたしはこう思います

会議で自分が何か発言したとき、反論を受けたとしよう。

そのとき、ムキになって反論に対し反論する人もいれば、「ご心配は理解できます」、「そのようなご懸念はあるかと思います」と、反論に一定の理解を示してから、反論に対し説明する(反論する)…という人がいる。

どちらが上手な受け答えかといえば、あきらかに後者だ。

したがって、まず、相手の話の中で理解 or 共感できる部分があれば、そこに焦点を当て、理解 or 共感する(間違いを一度スルーする。ワンクッション入れる、としてもいい)。その後、「わたしはこう思います」という形で、それとなく間違いを指摘するのだ

断定表現を使わない

あなたが間違っています、という言い方はしない方がいいだろう。

上で述べたように、基本的には、「わたしはこう思います」、「わたしの考えはこうです」という形で、それとなく間違いを指摘すればいいと思う。

もっと気を遣う必要のある相手であれば、「たとえば、○○とは考えられませんか?」と、自分での気づきを促すような形にしてもいいだろう。

「たとえば、○○とは考えられませんか?」 ⇒ 相手に気づき無し ⇒ 「わたしはこう思います」、というフローにしてもいいと思う。※相手を否定するような表現はNGだ。

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指摘するときは控えめな態度で…

間違いを指摘するときは、控えめな態度で臨みたい。

声もまわりに聞こえないぐらいの方がいいだろう。そうすれば、その気配りが相手にも伝わる。よほど鈍感な人物か、へそ曲がりな人でない限り、「気配りしてくれたな」と思うはずだ。

大きな声で相手のミスを指摘する、というのは、相手にケンカを売っていることに等しい(意図的に恥をかかせていることに等しい)。なので、普段から声の大きい人は、注意が必要だ。

まとめ

今回は、相手の間違いを指摘するときの言い方について書いた。

人間関係を良好に保つためのコミュニケーションというのは、つくづく面倒だと思うが、面倒だから面白いとも言える。複雑さがあるために、スキルを学ぶ&磨く意味が生じる。

もし、「面倒だから嫌だ…」ではなく、ゲームみたいで「おもしろい」と感じることができれば、コミュニケーションが楽しくなるかもしれない(結果、上手にもなるだろう)。

こういうケースでは、(自尊心の低い人がやりがちだが…)得意になって指摘する、あげつらうように指摘する、というのは論外だ。相手の面子を潰さないように気配りしたい。