わたしは、「自分は記憶力が悪い」と思ったことがある。
そして、今から思えば、「記憶力が悪い」ということを言い訳にしていた節がある。
だが今では、当時の自分は記憶する方法をよく知らなかっただけではないか…と思うようになってきた。力技で丸暗記しても、すぐに忘れるのは道理だ。下手をすると、数分ももたず、数秒で忘れてしまう(笑)。だが、それをもって記憶力が悪いとすることはできないのだ。
今回は、「記憶力を上げる方法」について書いてみたい。
目次
記憶力が悪い…を
自分は記憶力が悪い…と思うことがある。
覚えていることはスルーして、忘れたことに焦点を当てるためだ。
さらに、効率の良い覚え方を知らない、ということもある。わたしたちは生物であり、否応なく年齢に応じて変化するのだから、その変化に応じて(効率を上げるために)記憶の仕方というものも微妙に変えていかなければいけない。
自分は記憶力が悪い、としていいことはない。
記憶できないことを自分の<記憶力のせい>にして、終わらせてしまうためだ。そうすると、記憶力を上げよう…という前向きな気持ちもわいてこない。これでは、いつまでたっても「記憶力が悪いまま」ということになってしまう。
だから、まずは「自分は記憶力が悪い」という固定観念を捨てなければいけない。
覚えようとしなければ…
本当の意味で「覚えよう」としなければ、なかなか覚えられない。
たとえば、名刺交換をしなくても、この人は自分にとって大事な人になりそうだ…と思えば、顔と名前を覚えようとするはずだ。一方、名刺交換をしても、この先、この人とかかわることはないだろう、覚えるだけ無駄だ…と思えば、覚えようとしない。
※もらった名刺はゴミ箱行きだ。
英単語や英熟語でも同じだ。「よく出るな…」と思えば覚えようとするが、「まれにしか出ない」ということであれば、覚えようとしない。まぁそれはそれで、合理的でいいのだが…。
記憶の定着率がいいのは、もちろん前者の能動的に「覚えよう」とする場合になる。
感情をからませる
自己の感情がからむと、覚えやすくなる。
好きな異性やロールモデルにしたい先輩の顔と名前は、言われなくてもすぐに覚えるはずだ。
※自分を慕ってくれる後輩の顔と名前も覚えやすい。
英語でも悪い単語や表現は覚えやすい。悪い単語ではないが、個人的に早く覚えたのは「lucrative」という単語だ。「儲かる」という意味の単語だが、すぐに覚えてしまった。
試験によく出る単語ではなく、特に「覚えよう」としたわけではないが、「儲かる」という意味が、そのときの自分の感情に刺さったのだろう(笑)。あっさり覚えてしまった。
このように、自分の感情にからませると覚えやすくなる。
分類して整理する
覚えたいものは、分類して整理したい。
たとえば、人の顔と名前を覚えるときに、十把ひとからげにすると覚えにくい。
属性で分ける、(自分にとっての)重要度で分ける、好き嫌いで分けるなど、いろいろ分類の仕方があると思うが、自分なりに分類してファイルしておけばいい。そうすれば、そのファイル内だけの検索で済むので、思い出しやすい。
この場合、適切に分類することが必要になるので、そうできる分類の仕方を採用する。
既知のものと繋げる
未知のものと出会ったら、既知のものとリンクすればいい。
※糸を張って繋げばいい。
人の顔というのは案外覚えにくいが、知っている人の顔に似ているな…と思えば、比較的早く覚えることができる。知っている人というのは、知人でもメディアを通じて見るだけの人でもいい。
※知っている人を総動員しよう。
英単語でも、たとえば「transportation(交通手段)」という単語を覚えたいとき、中に「sport(スポーツ)」という単語があるな…と気付けば、覚えやすくなるだろう。
スポーツ⇒走る・ジョギングする⇒移動する⇒交通手段、とすればいい。
内容+背景を理解する
覚える内容+背景をきちんと理解すれば、記憶の定着率がよくなる。
※自分なりの理解でもいい。
理解を記憶をたどる糸にして、引っ張り出したり、記憶の混濁を防ぐことができるためだ。
たとえば、出来事の背景や原因と結果を理解していれば、どのタイミングで何が起こったのか、どちらの出来事が先だったのか、ということがクリアになる。大坂冬の陣と夏の陣の前後がわからなくなるのであれば、まず、家康が稲刈りが終わったあと満を持して冬の陣を仕掛けた(仮説)…と覚えておけば、混濁がなくなり後先がクリアになる。
なぜそうなるのか…と思考し、「なるほどそうか」という理解が必要になる。
記憶の仕組みを知る
記憶のメカニズムについても知っておきたい。
記憶には「短期記憶」と「長期記憶」があり、短期記憶を長期記憶に移せば、記憶を長く保持できる。その選別は「海馬」が行っている…このあたりの仕組みは、ざっくり理解しておきたい。
短期記憶を長期記憶に移すために、これまで書いた工夫をしているわけだ。
まとめ
今回は、「記憶力を上げる方法」について書いてみた。
誰でも(自分比で)記憶力を上げることはできるので、挑戦してみてほしい。
今回の記事で書いたのは、1)「記憶力が悪い」という固定観念を捨てる、2)本当の意味で覚えようとする、3)感情をからませる、4)分類して整理する、5)既知のものと繋げる、6)内容+背景を理解する、7)記憶の仕組みを知る、の7つになる。
単独でも使えるし、複数の方法を組み合わせてもいい。まず、内容+背景を理解して、分類+整理したり、既知のものに糸を張ったり、感情をからませてみたり…という形がいいのかもしれない。
記憶力を上げるためには、(急がば回れ的に)ひと手間かける必要がありそうだ。
今回の記事:「記憶力を上げるにはどうすればいいのか」