語彙を増やしたい、ボキャブラリーを増やしたい、と思うことがないだろうか。
学生時代に、わたしが何かについて発言したとき、少し離れたところで笑いが起こったことがある。
わたしは訳がわからず、「何で笑ったの?」と聞いたら、「あいつだったらこう言うだろう…」ということで、わたしの発言を先取りして、友達のひとりが(わたしの発言前に)言葉にした…ということだった。
そして、みんなが注目する中、わたしがそのとおりに発言したので、笑いが起こったのだ。これは、わたしの表現力やボキャブラリーが貧しかった…ということだろう(笑)。
今回は、語彙を増やす方法について書いてみたい。
目次
おもしろい人は語彙が豊富
話していて、「おもしろい」と感じる人は、語彙が豊富だ。
ここで言う「おもしろい」とは、知的で興味深く感じる…ということだ。たとえば、話をすることで、「刺激になる」、「新たな洞察を得ることができる」と感じる…ということだ。
※親交を深めたくなるタイプの人だ。
このタイプの人は、当意即妙な切り返しができるし、会話の中でウイットを効かすこともできる。また、たとえ話も上手で、むずかしいことでも、やさしく説明することができる。
おもしろい人には、人的な魅力があるのだ。
語彙の意味
語彙とは何か…だが、
ウィキペディアによると、ある特定の範囲(例えば、一つの文学作品や、一個人の発言記録など)において使われる単語の総体(「彙」は「集まり」の意味)だそうだ。※総体だそうだ。
この記事では、それに「会話の引き出し」という意味を加えたい。
つまり、言葉の選択肢はもちろんだが、表現の選択肢や会話の(テーマの)選択肢も豊富に持っている人のことを「語彙が豊富な人」ということにしたい。※会話における選択肢の総量だ。
以下、語彙を増やす方法について述べる。
効率よくインプットする
語彙を増やすためには、当然インプットが必要になる。
最近私は、敷衍(ふえん)という言葉を知ったが、インプットをしていたから、その言葉を新しく知ることができたのだ。※敷衍とは、おし広げて(別の例や言葉などで)説明すること。
インプットの方法にもいろいろある。
読書する
読書をすることは、定番のインプット法だ。ただし、本の読み方が問題だ。
語彙を増やすためには、多ジャンルの本をたくさん読めばいい…とする意見があるが、この意見にはあまり賛成しない。興味のないジャンルの本を読むことは、苦痛でしかないからだ。※読むことが苦痛でなければ、一定の効果はあるだろう。
まずは、興味のあるジャンルの「定番」といわれる本を読むことから始めた方がいいと思う。
そして、繰り返し読むことだ。
私が今行っている読み方だが、「これは…」と思う本については、数日~数週間おいて二度読むようにしている。以前に、「難しいけれど、二回読めば内容を理解できそうだ…と感じたときに行う」と書いたが、その限りではない。ピンときた本については、必ず二度読む、ということだ。※ただし、二度目は「要点読み」でいい。
出典:もっといい読書をする方法#2
とにかく、多くの本を読む、という時期も必要だと思うが、その時期は短くていいと思う。
片っ端から乱読する時期があってもいいと思うが、「何年もそうする必要はない」ということだ。その後は、良い本をじっくり読む、というスタイルに変えた方がいいと思う。
※語彙を豊富にする、という点でも、その方がいいと思う。
人の話をきく
人の話をきくことも、インプットになる。
これは、直接の会話でもいいし、メディアの視聴でもいい。
メディアには、専門家や知識人と呼ばれる人が出演し、話をすることがある。そんなとき、たとえば、この人はどんな言葉や表現を使うのだろうか、どんなロジックやスタイルで話をするのだろうか…与えられた尺の中で、どの部分に結論を持ってくるのだろうか…という点に注目してみる。
この言葉や表現は、上手いな、使えるな…と思ったら、真似をすればいいのだ。
ことわざを知る
ことわざを知ることは、効率の高いインプットになると思う。
ことわざは短い表現だが、ことわざには先人の英知が含まれており、「濃い」のだ。
ことわざには、表現のエッセンスがある、といってもいいだろう。
なので、ことわざを知ることは、ダイレクトに「表現の引き出し」を増やすことになると思う。ある人によれば、ことわざは「文化遺産」だそうだ。たしかに、そう言えなくもないだろう。
ことわざを知ることは、効率の高いインプットになるのだ。
雑学チャンピオンではダメ
インプットをする、といっても、雑学チャンピオンを目指す…ということではない。
先に、言葉の選択肢はもちろんだが、表現の選択肢や会話の(テーマの)選択肢も豊富に持っている人のことを「語彙が豊富な人」ということにしたい、と書いたが、雑学チャンピオンでは、その入り口付近をうろうろしている…ということにすぎない。※深みがないのだ。
雑学チャンピオンになるぐらいのエネルギーを使うのであれば、広さ(範囲)を絞って深くする方がいいだろう。重要な範囲に絞って、(ある程度)深堀りする…ということだ。
※広く浅くでは深みに欠け、すぐに行き詰ってしまう。
アウトプットする
インプットしたら、アウトプットすることが大事だ。
アウトプットして失敗することで、ブラッシュアップされていくからだ。
たとえば、何かを書くときは、同じ意味でも表現を変えることで、おもしろ味が出る。また、単調にならないように、同じ語句の繰り返しをしないようにする…ということもある。
ワンパターンの表現では、退屈でおもしろくもなんともないのだ。
たとえば、先に「当意即妙」という言葉を使ったが、「当意即妙に答える」という言葉を別の表現で表すと、「気の利いた返しをする」、「的を射た返答をする」、「機転の利いた返事をする」などとすることができる。
わたしはこの3つぐらいしか思い浮かばないが、もっと思い浮かぶ…という人もいるだろう。※「鋭い返しをする」、「よくできた答えを返す」などもあるか…(笑)。
要するに、アウトプットすることで、バリエーションを考えるようになる、ということだ。※自分の頭で、表現のバリエーションを考えるようになる、ということだ。
その結果、表現の引き出しが増えることになるだろう。
自分の意見を持つ
アウトプットするためには、自分の意見を持つことが大事だ。
ポジションをとる、という意味は、「自分の意見をはっきり述べる」ということだ。
ブログでもそうだと思うが、自分の意見を明確に述べる方がおもしろくなる。
こういう意見もありますが、別の意見もあります、だけでは、ただの意見の紹介に終わってしまい、おもしろみ味に欠ける。「自分はこう考える」とポジションをとることにより、「そのとおりだ」という共感を集めたり、「いや、違うだろ」という反論を受けたりすることができるのだ。
出典:中田敦彦のプレゼンの上手さ|しくじり先生俺みたいになるな
これは、ポジションをとる、ということだ。
語彙を増やすためにアウトプットする、という文脈で書いているが、ポジションをとって、アウトプットしないと、おもしろくないのだ。※どうせなら、おもしろい方がいい。
自分の意見を持っていない人は、たとえ語彙が豊富でも、「評論家のような感じだよね…」ということで、リスペクトされないことが普通にある。これはもったいないことだ。
※解説者としては、いいかもしれないが…。
根本に立ち返り、なぜ語彙を増やすのか…と考えた方がいいかもしれない。
まとめ
今回は、語彙を増やす方法について書いてみた。
今回の記事で書いたのは、1)効率よくインプットする、2)アウトプットする、の2つだ。
インプットの方法としては、本や人、ネットからのインプットもあるだろう。
インプットしたらアウトプットだが、アウトプットでは人やブログなどが考えられる。「インプット ⇒ アウトプット」を繰り返すことで、語彙が増えていくだろう。
ネットやスマホの発達でインプットに偏りがちだ…という人も多いと思うが、だからこそアウトプットが重要になってくる。なので、アウトプットをより意識するといいだろう。語彙を増やすためには、インプット…と思うかもしれないが、アウトプットもかなり大事なのだ。