あなたも、これまでに「ほめられたこと」があると思う。
そんなとき、ほめ言葉に対し、どのように返しただろうか。「いえいえ、そんな大したことはありません」、「ほめても何もでないよ」と返して、相手の顔が少し曇るようなことがなかっただろうか。
今回は、「ほめ言葉に対する返し方」について書いてみたい。
目次
- 目次
- ほめられると居心地が悪くなる
- ほめられると戸惑うタイプの人
- 自己肯定感が低い人
- ほめを否定しない
- 謙遜から否定する
- もっと上手くできたのに…
- ほめても何も出ないよ
- まずは肯定する
- ボディランゲージも忘れずに
- ほめを返す
- 相手にリスペクトを伝える
- まとめ
ほめられると居心地が悪くなる
ほめられると、居心地が悪くなる…ということがないだろうか。
ほめられるのはうれしいけれど、同時に居心地の悪さも感じる、ということだ。
その原因は、自己評価と相手の評価とのギャップだ。
自分に「ほめられるいわれはない…」と思っていると、誰かからほめられたとき、「なんでほめるの?」と思ったり、「この人は、何か勘違いしているのではないか」、「誰かと間違えているのではないか」、「何か意図があるのではないか」、などと考え、居心地が悪くなるのだ。
学生時代の話だが、先生からあることでほめられたことがある。しかしそれは、先生が人違いでほめたということが、話の内容からわかった。そのときは、居心地が非常に悪かった(笑)。
ほめられると戸惑うタイプの人
ほめられると、居心地が悪くなるタイプだが、まずは、完璧主義者だ。
完璧主義者は、他人に厳しいが、自分にも厳しい。なので、自己評価が高くないのだ。
客観的にみて、「すごい」と思う結果を出していても、自分では「まだまだ甘い」、「完璧には程遠い」などと思っている。なので、「ほめられるようなことではない」と思ってしまうのだ。
※したがって、ほめ言葉に対し否定しがちになる。
自己肯定感が低い人
自己肯定感が低い人も、ほめられるとあたふたする。
自己肯定感が低い人も、完璧主義者と同じで、自己評価が高くない。
なので、誰かからほめられても、先に述べたように、「なんでほめるの?」と思ったり、「何か勘違いしているのではないか」、「誰かと間違えているのではないか」、と思ってしまうのだ。
※ほめ言葉に対し、戸惑うようなリアクションになると思う。
ほめを否定しない
ほめを否定することはNGなので、やってはいけない。
自分が誰かをほめるときのことを考えると、ほめ言葉に対し否定的な言葉を返されたとき、「なんだかな~」、「閉じた感じだな」、「こちらを寄せ付けない感じだな…」と感じ、良い印象を持たない。だが、自分がほめられたときのことを考えると、思わず否定したくなる(笑)。
矛盾しているとも言えるが、その心理には理由がある。
謙遜から否定する
謙遜から相手のほめ言葉を否定する、ということがある。
「いやいや、そんな大したことはないのですよ…」ということだ。しかしこの反応は、相手に対して失礼になる可能性がある。「あなたの評価は間違っています」ということになるためだ。
謙遜して非礼を働くのであれば、謙遜の意味がない。
もっと上手くできたのに…
何かの行動をほめたとき、「もっと上手くできたんですけど」と言う人もいる。
その裏には、「自分の力はこの程度ではない」という、自己顕示欲のようなものが垣間見える。なので、ほめた方はあまり良い印象を受けないだろう。※「若いな…」と思うかもしれない。
もっと「素直にとればいいのにな…」ということだ。
ほめても何も出ないよ
ほめ言葉に対して、「ほめても何も出ないよ」と返す人がいる。
これは、照れや戸惑いから出る言葉だ。あからさまな否定ではないが、「ほめられて困ったな…」、「返しがわからない」というニュアンスがある。なので、どちらかと言えば、好ましくないだろう。ただし、相手のほめをかわしたいのであれば、有効な返し方だと思う。
※気のない男性からほめられたときなどに使える。
まずは肯定する
まずは、相手のほめ言葉を素直に受け取ることだ。
先に、ほめ言葉に対し否定的な言葉を返されると、「なんだかな~」、「閉じた感じだな」、「寄せ付けない感じだな」と感じ、良い印象を持たない、と書いたが、その逆をいけばいいのだ。
笑顔で「ありがとうございます」とお礼を述べたい。これは、「相手の好意を受け入れる」ということだ。なので、自己評価と相手の評価とのギャップなどについて、考える必要がない。相手の好意に対して、素直に「ありがとうございます」と感謝の言葉を述べる、ということだ。
コミュニケーションにおける、礼儀だと思えばいいだろう。
ボディランゲージも忘れずに
ほめたとき、相手が喜んでくれるとうれしいものだ。「思い切ってほめたかいがあった…」と思うはずだ。
なので、ほめられたときは、「ありがとうございます(棒)」ではなく、「ありがとうございます(笑顔)」で返したい。愛想笑いではなく、素直な笑顔ができれば、尚いいだろう。
※ほめられてうれしい気持ちを、素直に態度に出せばいいのだ。
たとえ謙遜しても、ほめられたことに対するうれしさが、ボディランゲージから伝わってくるようだと、ほめた方は悪い気がしない。「ありがとうございます」と応えても、棒だと「…」だ。
言葉よりボディランゲージの力の方が強いのだ。
ほめを返す
ほめられたら、ほめを返す、という方法がある。
たとえば、上司からほめられたら、「ご指導のおかげです」と返す方法だ。
コミュニケーション能力の高い人であれば、「ありがとうございます」とお礼を述べた後、スッと「ご指導のおかげです」のような、ほめを返す言葉が出てくるのだろうと思う。
また、「ご指導のおかげです」という抽象的なことではなく、具体的な話が出てくるのかもしれない。「あのときの…」という具体的な話が出れば、そこから話が広がる…ということにもなる。
※具体的な話の方が広がるし、リアリティがある。
相手にリスペクトを伝える
ほめを返す方法には、相手にリスペクトを伝える、という方法もある。
「あなたにほめられてうれしいです」という気持ちを伝える、ということだ。「~さんにそんな風に言っていただいて、本当にうれしいです」、「○○課長から評価をいただき、本当にうれしいです」、「~さんにおほめいただき、とてもうれしいです」という具合だ。
※相手の名前を入れて持ち上げるのが、ポイントだ。
まとめ
今回は、「ほめ言葉に対する返し方」について書いてみた。
まずは、ほめを否定しないことだ。謙遜にしろ、「自分ではほめられるほどのことではない」と思っているにせよ、ほめを否定してはいけない。「あなたの評価は間違っています」と相手に伝えることになるためだ。その結果、相手の心証を害することになりかねない。
なのでほめられたら、笑顔で「ありがとうございます」と相手の好意を受け入れたい。
相手は好意からほめてくれているのだから、それにはキチンとこたえるのが大人のマナーだ。このことは、会話でいえば、相手の話を肯定する、話に共感する…にあたる。さらにほめを返すことができれば尚いいが、(難易度が上がるので)そこは課題としておけばいいだろう。
このことを知っておけば、ほめられてもあたふたしないはずだ。
今回の記事:「ほめ言葉に対する返し方」