自社商品(サービス)をゲットできる、という形の優待はたくさんあるが、グンゼの場合は実用的で優れた優待になっていると思う。長期保有の株主に対して手厚くなる、という点も評価できる点だ。
株価が割高になっているときに、優待目的で株を買う、というのはナンセンスだが、株価がフェアバリューになれば、買ってみたい株だ。今回は、グンゼの株主優待について書いてみたい。
目次
グンゼの株主優待は
9月の優待が手厚い
優待の権利確定月は、3月と9月だ。
3月と9月で共通しているのが、「自社通販カタログ掲載商品30%割引」だ。9月のみが、1)自社製品との交換、2)グンゼストアで使える商品クーポンへの交換(1PT=1円)、になる。
※1と2をミックスすることも可能。寄付を選ぶこともできる。
グンゼは3月が本決算だが、中間期の9月の株主優待が手厚くなっている。グンゼは中間配当を出さないため、中間配当代わりに株主優待を手厚くしている、ということだろうか。
長期保有で優待額が増す
※紫が100~299株、薄黄が300株以上を表す。
縦軸は優待で獲得できる金額で、横軸は保有年数だ。グンゼの株を長く持てばお得、という設計になっている(3年、5年で増える)。最終的に当初の金額の倍になる、というのはうれしい。
※100株から始めれば、最大で4倍になる(2千円 ⇒ 8千円になる)。
なので、一度買えば「全部手放す」ということはしない方がいい。
自社の優待商品の内容は
優待でもらえる自社商品は、男性向けと女性向けのものがある。
男性向けは、1)ソックス、2)ブリーフ、3)肌着、4)パジャマ、になる。
女性向けは、1)タイツ、2)ショーツ、3)肌着、4)パジャマ、になる。パジャマは、男女ともキルト素材のものとスウェットを選択できる。
※2017年の情報です。
ちなみに価格を書いておくと、1)1,000円、2)2,000円、3)3,000円、4)4,000円、となる。※ソックス、ブリーフ、肌着は、「2枚セット」になっている。
商品の質はいい
自社製品の場合、選択肢は必ずしも多くない。
だが、生活する上で必ず使う消耗品であり、特に外部に見せるものではないので、(個人的には)選択肢の数は大した問題ではないと思う。※ある程度のデザイン性+質が良ければいい。
価格が安いとは言えないが、商品の質がいいので、満足度は高いと思う。
株主優待の問題点は
グンゼストアへの登録が面倒
自社商品をゲットするだけであれば、グンゼストアに登録する必要はない。
この「株主優待サイト」からログインして、申し込めばいい。若干面倒に感じるのは、グンゼストアで商品クーポンを利用して買い物をしようとするときだ(クーポンへの交換自体は簡単)。
実際やってみるとそれほど面倒ではないと思うが、「登録し直しか…」と思うと、心理的に面倒に感じる。なので、株主優待サイトから、グンゼストアに遷移する仕組みがあればいいと思う。
情報を抱えて遷移すれば、手打ちで新たに登録する必要がなくなる。少なくとも、株主優待サイトからストアへリンクを張って、そこからストアにログインできるようにした方がいいだろう。
カタログ掲載商品30%割引
通販カタログ掲載商品30%割引には、改善の余地がある。
申し込みが、「電話・FAX・郵送」なのだ(ネットが使えないのだ)。
通販カタログには、グンゼストアにはない商品もあり、魅力のある商品もあるのだが、ネットが使えないというだけで、パスしてしまう。ネットを使わない高齢者のみをターゲットにしているのだろうか。
グンゼサイドの都合で(ストアと絡めず)縦割りになっているのだろうが、そのために機会損失が発生している。カタログ販売があってもいいと思うが、ストアで買えるようにもしてほしい。
グンゼの株主優待 - サマリー
まとめ
中には、利用者(株主)のことをあまり考えず、自社の都合を主に考えた優待を出している会社があるが、それに比べればはるかに優れている。
長期保有で優待額が増える、という仕組みもいい。
最大4倍になるというのは、夢があって楽しみにもなる。また、このような仕組みを作っている以上、グンゼサイドに安定的に優待を提供する、という意思があるのだろう。このように、株主に対し誠実な会社の株は買ってもいい。
ただし、「通販カタログ掲載商品30%割引」には、改良の余地がありそうだ。ネットで購入できないので、カタログを見て(欲しいものがあっても)スルーする、という人が結構いると思う。
※2017年12月時点の情報をもとにして書いています。