不器用な生き方をやめたい

人の心理や特徴を踏まえて合理的に行動したい

自分を思いやる方がいい - 思いやれないと損をする

あなたは自分を思いやる方だろうか。

他人を思いやることは美徳だ。だが、自分を思いやることは少し気持ち悪い、恰好のいいものではない。自分に対しては、むしろ厳しく接する方がいい、自分の失敗は厳しく咎める、という人もいると思う。わたしも、完璧主義を採用していたときは、そういう感じだったと思う。

だが、そういうことでは生きづらくなってしまうだろう。この際、考え方を改めた方がいい。

今回は、自分を思いやる方がいい、ということを書いてみたい。

目次

思いやれないことがある

厳しいときに自分を思いやる女性

自分を思いやれない…ということがないだろうか。

最近のことだが、ケアレスミスから失敗する、ということがあった。

これまで何十回と繰り返してきたことなのだが、はじめてミスをしてしまった。他人がやった同様のミスを知っていたので、自分はやってはいけない、と思っていた。だが、やってしまった…。

振り返ってみれば違和感があったのだが、それをスルーしてしまった。こういうミスをすると、自分に失望してしまう。同じミスを繰り返したときも同様だ。最初のミスから何も学んでいない、ということになるためだ。こういうときは、自分を思いやれず受けるダメージが大きくなる。

自分への思いやりとは

自分への思いやりとは、どういうものなのだろうか。

Dr. K.Neff によると、思いやりは3つの要素からなる。

1)自分の感情などを認識し現実を受け入れること、2)親切にすること、3)人は不完全な存在であり誰もが失敗する…それは多くの人が経験する一部にすぎないと認識すること、の3つだ。

現実の受け入れは、忌避とか嫌悪、反感なしで行う必要がある。親切には理解と気配り、慰めや安らぎ、というものが必要になる。3つ目は、出来事をバランスよく捉える、ということになる。

なので…

自分への思いやりを示すことは、自分の感情を認識しフラットに受け入れる、自分に親切にする、自分だけが…と思うのではなく、多くの人が体験する経験を共有している…と思うことなのだ

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自分を思いやるメリット

失敗して恥ずかしい…

自分を思いやることで、失敗して恥ずかしい…という気持ちがなくなる。

人前で失敗すると「恥ずかしい」という気持ちが生じる。

たとえば、スピーチやプレゼンなどで、緊張しすぎて失敗すると「恥ずかしい」と思う。そのとき、(ほかの人からの)自分の失敗を哀れに思う視線・恥ずかしい奴だな…とする視線を感じたりすると、余計に恥ずかしくなり「穴があったら入りたい…」という気持ちになるだろう(笑)。

恥じる意識は害になる

この「恥じる意識」というのは、害になることがある。

ある研究によると、恥じる意識の強い子どもは、敵対心などを持ちやすいそうだ。

わたしたちは、恥をかかされる、ということが好きではない。なので、「恥をかかされた」と思いやすい恥じる意識の高い人は、「自分に恥をかかせたアイツは許さん!」となりやすいのだろう。

恥じる意識が強ければ、攻撃的で恨み言の多い人生になりやすいのだ。

早く立ち直ることができる

自分を思いやることで、早く立ち直ることができる。

いろいろな研究で、思いやりが一番の良薬だ、ということが示されている。たとえば、帰還兵にはPTSDの問題があるが、思いやりを持つ人は、この問題を比較的上手く処理できるそうだ。

※自分思いの人というのは、幸福感が高く不安感が低いそうだ。

逆を考えればよく理解できる。自分の失敗を厳しく責めれば、落ち込みが大きくなる分、立ち直りにも時間がかかる。そうでなければ、比較的早く立ち直ることができる、ということになる。

同じ失敗をするのではないか…

自分の失敗を厳しく咎めないと、同じ失敗をするのではないか…という懸念がある。

自分の失敗を厳しく咎めると、自分に「可塑的なインパクト」を与えることになるので、記憶に長く残りやすい。したがって、失敗から得た教訓が自分の中で長く残り続けるのではないか。その結果、同じ失敗を防ぐことができるだろう、ということだ。

※そうしなければ、同じ失敗をする…ということ。

この論理は魅力的で信じたくなる。だが、根拠がない。たとえば、前回の失敗をよく覚えており、「今回は失敗しない」と強く思っていると、かたくなって同じ失敗をする、ということもある。

反省することはできる

自分を思いやりながら反省することはできる。

なので、そうしたらいいと思う。

そのときは、「何て自分はバカなんだろう…」ということではなく、「あの行動はバカだった…」とすればいい。あの行動を選択したからといって、「自分がバカである」ということではない。

先に述べたように、人は不完全な存在であり、誰もが失敗するのだ。多くの人がやってしまう失敗を一時的に共有したにすぎないのだ(その失敗をしない人でも、別の失敗をすることになる)。

※自分の特徴由来のレアな失敗だと思っても、自分だけが…ということはない。

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肯定的に捉えることができる

自分を思いやることで、自分を肯定的に捉えることができるかもしれない。

失敗を自己否定と結びつけることがないためだ。失敗したところで、「だから自分はダメなんだ…」とはならないのだ。

また、ある研究によると、自分を思いやれば自分らしくある感覚というものを持ちやすくなる可能性があるようだ。自分を不当に貶めることがないから、自分に対する認知の歪みがないのだ。※自分らしくある感覚を持つというのは、大地にしっかり根を張るようなもので、大切なことだ。

 

自分を思いやる方がいい - サマリー

まとめ

今回は、自分を思いやる方がいい、ということを書いてみた。

今回の記事で書いたそうすることのメリットは、1)恥じる意識がなくなる(弱くなる)、2)早く立ち直ることができる、3)自分を肯定的に捉えることができる、の3つになる。

さらに、今回はスキップしたが、自分をいたぶることで生じる身体への悪影響を回避することができる。諸々の結果、不安やストレスが少なくなり幸福感が増す。モチベーションが上がる、人間関係が良くなる、ということもある。

デメリットは、ほとんどない。あるとすれば、(ある種の人には)能天気な人物として認知されるかも…ということぐらいだろうか(笑)。やりすぎると、そうなってしまうかもしれない(やりすぎには何でも害があるものだ)。

そうであっても、メリットがはるかに勝ることなので、実行しない手はないだろう。

今回の記事:「自分を思いやる方がいい」