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語先後礼の読み方や使い方など

語先後礼というものをご存じだろうか。

ビジネスマナーとして教えてもらった、という人がいるかもしれない。

この言葉を知らない人でも、言葉を発し終わった後に頭を下げた方がいいのか、言葉と同時に頭を下げた方がいいのか、それとも中間ぐらいがいいのだろうか…と、考えたことがあると思う。

今回は、語先後礼の読み方や使い方などについて書いてみたい。

目次

読み方は

語先後礼を実践する女将さん

語先後礼の読み方だが、「ごせんごれい」と読む。

同様の言葉で、「先言後礼」というものがあるが、この言葉の読み方は「せんげんごれい」になる。さらに、「先語後礼」という言葉もあるが、この言葉は「せんごこうれい」と読むようだ。

※言葉の意味は、漢字から想像がつくと思うがどれも同じである。

語先後礼の意味は

語先後礼の意味は、言葉を先に発した後に礼の動作をする、ということだ。

たとえば、「おはようございます」、「よろしくお願いします」と言葉を先に発した後、頭を下げる…ということだ。あいさつなどの言葉と礼の動作が分離しているので、「分離礼」になる。

※分離になるため、一瞬だが静止(ポーズ)が入る。

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メリットは

語先後礼のメリットは、相手にリスペクトを伝えることができる、ということだ。

相手の顔を見ながら言葉を伝える、その後「静止」を入れて礼をする。

礼をしたときにも、頭を上げる前に静止を入れる。相手の顔を見て言葉を発することはもちろんそうだが、「静止」というのもポイントで、静止でも相手にリスペクトを伝えることができる。

静止の使い方を間違うと…

以前、同時礼らしきあいさつをし、頭を下げたところで長く静止する、という人がいた。

一見、このあいさつの仕方は悪くない…と思う。

だが、こちらの顔をほとんど見ていない。相手の「頭を下げたまま見送る」という意思を感じたので、そのまま相手と目を合わせることなく立ち去ったが、「もやもや…」とした感じが残った。

※アイコンタクトを避けているのでは…という印象を持った。

静止は有効だが、使い方を間違うと効果を失う。

デメリットは

語先後礼のデメリットは、堅苦しくなる、ということだ。

比較的フォーマルな場や相手と心理的な距離が遠い場合は、語先後礼を基本にすべきだと思う。

※特に相手に敬意を払う必要がある場合もそうだ。

そうでない場合は、分離礼と同時礼の間ぐらい、もしくは、同時礼の方がいい、というケースもある。「略式のあいさつの方がいい」という場合もあるのだ。※TPOを考えた方がいいだろう。

いつも使うと、丁寧だけど堅苦しい人…という評価になるかもしれない。

慇懃無礼ととられることも…

このやり方が「慇懃無礼」ととられることもある。

表面的には礼儀正しく見えるが、相手のことをリスペクトしているわけではなく、逆に軽く見ている、ということだ。

そこまではいかなくても、決められているから仕方なくやっているだけだな…ということがビンビン伝わってくることがある。これでは、せっかくの丁寧なあいさつが台無しになる。

棋士のあいさつ

プロ棋士は、投了時に相手にあいさつ(負けの意思表示)をする。

このとき、彼らが語先後礼を使うのかどうか少し調べてみたが…

使っている棋士は、あまりいないようだ。

同時礼を使う人が多い。負けた悔しさがあるし、相手はいつも戦っている仲間だし…ということがあるのだろう。中には、語先後礼かな…という棋士もいたが、よく礼儀をわきまえた人だろう。

※対局開始前のあいさつでは静止するのに、投了時には静止がなく頭の上げ下げも早い、という棋士もいた。負けの現実を認めたくない…とか、自分に腹を立てる…ということが理由だろうか。

タイトル戦のようなフォーマルな場では、語先後礼を使った方がいい印象になると思う。

相手が先だったら

相手が自分より先にこのやり方であいさつしてきた場合は、

相手はもうすでに頭を下げている状態なので、語先後礼をする意味がない。

相手の頭頂部に向かって声をかけても意味が薄いし、相手が頭を下げているのにこちらが突っ立っているように見えるので、見栄えもよくない。したがって、相手が頭を下げたら、こちらもすぐに頭を下げた方がいいだろう。こちらは必然的に同時礼になるが、それでいいのだろうと思う。

※相手はすでに頭を下げ顔を伏せているのだから。

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心をこめたい

分離礼を使っても、心を込めないと意味がない。そのときの気持ちが相手に伝わるためだ。

テクニックだけで相手を欺く、というのは至難の業だ(プロレベルにならないと無理だ)。※人を欺くことはおすすめしない。

たとえば、自然な笑顔なのか作った笑顔なのかは、わかる人には本能的にわかる。

あいさつにしても、仕方なくやっているのか、能動的にやっているのか、ということはわかる。せっかく分離礼を使っているのに、「慇懃無礼」、「やらされているだけ」ととられてはいけない。

そういう相手の解釈を防ぐためにも、心を込めてあいさつをしたい。

 

語先後礼 - サマリー

まとめ

今回は、語先後礼の読み方や使い方などについて書いてみた。

この言葉の読み方は、「ごせんごれい」になる。

意味は、言葉を先に発した後に礼の動作をする、ということだ(分離礼になる)。

メリットは、相手にリスペクトを伝えることができる、ということで、デメリットは、堅苦しくなるということだ。下手にやると、慇懃無礼、やらされているだけ…と、とられるリスクもある。

なので、あいさつに心を込める必要がある。

常にこの分離礼を使えばいい、ということではない。どんな状況にもフィットする万能のツールではない。実践的には、比較的フォーマルな場や相手との心理的な距離が遠い場合に使う(ビジネスシーンで使えばいい)。さらには、相手がこちらに敬意を求めている場合に使えばいいだろう。

TPOを考えて、有効なシーンで使うようにしたい。

今回の記事:「語先後礼の読み方や使い方など」