聞き方の引き出しを増やしたい、と思うことがないだろうか。
会話は相手の話を聞くことが基本なので、上手に聞くことができれば、コミュニケーションが半分以上上手く行った…ということになるためだ(聞けると、コミュニケーションが楽になる)。
話の聞き方が下手、という人は、聞き方の引き出しが少ないため、どうしても単調になる…ということがあるだろう。同意のコツを知り身につけることは、その引き出しを増やすことになる。
今回は、会話における同意のコツについて書いてみたい。
目次
同意とは
まず、「同意する」とは、相手と同じ意見・考えであることを表現する、ということだ。
だが、本当に同意しているかどうかは、本人しかわからない。同意しているように見えて、実は同意していない…というケースもあり得る(単に主張は理解した、というだけかもしれない)。なのでここでは、第三者から見て同意しているように見えるリアクションを同意としたい。
※この記事では、承認、肯定、受け止めも広い意味で同意とする。
同意を使う
同意は武器になる
こちらの話に相手が同意してくれるとうれしくなる。
以前、会議の席で先輩のリスクの高い発言に対し、同意したことがある。「リスクが高い」というのは、(その話に同意すると)社内の有力者を敵に回してしまうかも…ということだ。
立場上同意すべきではなかったと思うが(笑)、先輩の話には筋が通っている、と感じたので同意したのだ。ほかの人は同意せず、苦笑気味?にお茶を濁す…という感じだったと思う。
※ほかの出席者は、年配の人たちだったので「青臭い…」と感じたのかもしれない。
わたしが同意したので、先輩は喜んだしある意味救われた(その場で孤立せずにすんだ)。そしてわたしは、先輩と良い関係を築くことができた。このように、同意は武器になるのだ。
※妙なところで同意すると、自分に向けた武器にもなるが(笑)。
ちょっとした会話でも…
ちょっとした会話でも、同意は武器になる。
こちらの話に相手が同意してくれるとうれしくなるし、もっと話そうという気持ちになるのだ。
その結果、会話が弾み、相手の自分に対する印象も良くなる。逆に、相手に同意のリアクションがなければ、話しづらくなるし、このまま自分が話してもいいのかな…と考えてしまう。
もちろん、相手の話のすべてに同意する必要はない。
悪口などであれば、(同意しないことで)話を早くやめてもらった方がいい(笑)。だが、どうでもいいような話であれば、同意しているように見えるリアクションをとればいいのだ。
同意のコツ
同意にはコツがある
会話における同意にはコツがある。
ひとつは、表現に変化をつける、ということだ。
同意の表現には、うん、はい、ええ、そうですね、そうなんですね、なるほど、そのとおりですね、よくわかります(理解できます)、などがある。黙ってうなづく、という方法もある。
これらの表現を上手く組み合わせて使う、ということだ。
同じ表現の繰り返しだと単調になりつまらない。また、たとえば「はい」の連続だと、真面目に聞いているのか?もしかしてこちらを小ばかにしているのか…と、思われる可能性もある。
なので、いくつかの表現を組み合わせて使うのがいい。
ボディランゲージにも留意する
同意するときのボディランゲージにも留意したい。
うなづき方には、1)小さく細かく、2)大きく深く、という2つの方法がある。また、相手の話を聞くときの表情には、1)笑顔、2)感心した顔、3)真剣な顔、の3つある。
これらも、言葉同様に上手く組み合わせて使いたい。
はい、ええ、だと、「小さく細かく」、そうなんですね、だと、「大きく深く」ということになるだろう。そのときどんな表情をするか、というのは、相手の話の内容次第になる。
うん…という同意
うん…という同意は使いやすい。「うん」は、口を閉じていても発声できる。
ただ、目上の相手に対しては、使わない方がいい。もし上司あたりに使うと、「こいつはどういう教育をされているのか」、「これでは使い物にならんな」と思われてしまう可能性がある。
※「はい」という返事ひとつできんのか…と思われてしまう。
なるほど…は
なるほど…という同意がある。
なるほども、目上の人に対しては、使わない方がいい…と言われることがある。
なるほどには、フラットな関係においてのみ許される同意の言葉、という印象がある。だから、わざわざ「ですね」をつけて、「なるほどですね…」という言い方をする人がいるのだろう。
なるほどは、「たしかに」と似ている。なので、「なるほど、そうですね(たしかに、そうですね)、「なるほど、そのとおりですね」(たしかに、そのとおりですね)、と使えばいい。
※なるほどですね…よりは、スマートな表現になるだろう。
聞き方の引き出しを増やす - サマリー
まとめ
今回は、会話における同意のコツについて書いてみた。
今回の記事で書いたのは、同意の言葉とボディランゲージに変化をつける、ということだ。
ボディランゲージには、表情とうなづき方があり、この組み合わせだけで6とおりある。これに言葉を加えると、かなりの組み合わせの数になるだろう。
コミュ力が高く自然にできる人はいいが、そうでない人は、(組み合わせを意識して)得意な組み合わせを作り手持ちにしておけばいい。そうすることが、聞き方の引き出しを増やすことになる。
今回の記事:「聞き方の引き出しを増やす…会話における同意のコツ」
参考:心に届く話し方 65のルール (著)松本 和也