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株におけるモメンタム投資を深く考える

モメンタム投資というものがある。

投資家であれば聞いたことがあると思う。実践している人もいるだろう。モメンタム投資とは、端的に言えば、勢いを重視する投資法であり、「勝ち馬に乗る」という投資法だ。なので、本物の勢いなのか、勝ち馬で間違いないのか、という目利きのようなものが必要になる。誤ったときの損切りも必要になるだろう。

今回は、株におけるモメンタム投資について書いてみたい。

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目次

モメンタムとは

モメンタム

モメンタムとは、「勢い」、「運動量」という意味だ。

そこから、「パフォーマンスが維持すること」を指す。つまり、勢いのある株は高いパフォーマンスを維持し、勢いのない株は低いパフォーマンスを維持する、ということだ。

勢いの持続性は、慣性モーメントの大きさと似ている。

慣性モーメントが大きくなると、回転の状態を変化させるのに大きな力が必要になる。静止状態から回転を起こすためには大きな力が必要になるが、一度回転し出すと、その回転を止めるためにも大きな力が必要になる。なので、勢いがついて回転し出せば、その傾向が続くということになる。

手で回せるような小さなコマは、すぐに回せるがすぐに止まる(勢いはあるが持続性がない)。ひもを使って回すコマは、回すために大きな力が必要になるが、回り出すとなかなか止まらない。

※大体、こんなイメージだ。

モメンタム投資とは

モメンタムを重視する投資のことだ。

なので、バリュー投資や「株価が下がったものを買い、上がったものを売る」という逆張りの投資とは異なるものだ。モメンタム投資を平たく言えば、「勢いのある勝ち馬に乗る」投資法だ。

たとえば、新高値を買うという方法は、モメンタム投資だと思う。新高値をどう定義するか、という問題はあるが、出来高を伴って新高値をとってくる銘柄には勢いがある。その勢いを評価して投資するのが、モメンタム投資だ。

※慣性モーメントの大きさ(持続性)はマチマチなので、その点には注意する必要がある。

モメンタム投資のメリット

モメンタム投資のメリットは、短期で利益を得ることができる、ということだ。

もちろん、上手く行けば…の話だが(笑)、比較的短期間で利益を得ることができる。逆張りやバリュー投資の場合は、買った後も延々と下げ続ける、株価が低迷する、ということがある。大きなトレンドが下に向いているときに買うと、必然的にそうなるのだ。

モメンタム投資の場合は、勢いがついたことを確認して買うことになる。コマがまわり出してから買うことになるので、(慣性が効き)今後の高いパフォーマンスを期待できるのだ。ただし、コマが止まる前に反対売買をする必要はある。

※短期でキャピタルゲインを狙う場合、モメンタム投資は有効な手段になり得るだろう。

モメンタム投資のリスク

モメンタム投資にも、当然リスクがある。

まず、「勢い」をどう評価するのか、という問題がある。仮に、「新高値=勢いがある」としても、新高値のとり方には、年初来高値、昨年来高値、上場来高値、などいろいろある。もっと期間を短くして新高値をとることも可能だ。そして、どれが正解なのかはわからない。

※値上がり率ランキングなどから、勢いのある銘柄を探す方法もある。また、「モメンタム」というテクニカル指標で勢いを評価する方法もある。いずれにしても、唯一無二の正解はない。

・高値を掴む可能性がある

また、モメンタムだけで評価すると、高値を掴む可能性がある。

機械的損切りできるのであればいいが、損切りできないのであれば、ファンダメンタル分析をしたり、「なぜ今、勢いがついたのか」について、よく考えなければいけない(ニュースの評価など)。

・業績へのインパクトを考える

突発的なニュースからの連想による上昇は、ドンと上がってすぐにヘタレるということがある。なので、その材料が将来の業績にどの程度結びつくのかについて、冷静に考える必要がある。

・利益の確定がむずかしい

モメンタム投資は、短期勝負(3~12か月)になるだけに、どこで利益を確定するか、ということもむずかしい。売り時を逃し、売れなくなる…ということもある。

なぜモメンタム投資が上手くいくのか

モメンタム投資が上手くいくケースで考えてみよう。

投資家は企業業績に関する良いニュースが発表されても、過小評価することがある。そのニュースに素早く反応する投資家がある程度いれば、勢いになって株価が上がるが、過小評価した投資家はまだ疑心暗鬼だ。初期の段階ではまだ、自分の信念を更新しようとはしないのだ。

だが、日々株価の上昇を目にしていると、信念の更新を始める。

そして、遅れてその株を買い始めるのだ。株価が上がれば、注目度が増す。新高値をとる、ということにでもなれば、ますます注目を浴びる。そのステージでは、マーケティングの効果が最大になるので、株価はさらに上がるのだ(上げが上げを呼ぶ、という形になる)。

※初動で買う、または、初期の下がったときに買えば、利益につながる。

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まとめ

今回は、株におけるモメンタム投資について書いてみた。

個人的にモメンタム投資は有効な投資法になり得ると思うが、1)短期で反対売買する、2)損切り機械的に行う、ということが必要条件だ。さらに、期間に応じて投資資金を変化させる、ということも必要になるだろう(後期に大きく仕掛けるとリスクが高くなる)。

ファンダメンタル分析をして、非常識な価格がついているものについては手を出さない、ということも必要だろう。その場合でも、損切りをすればいいではないか、と思うかもしれないが、異常な株価の形成に手を貸すことは避けた方がいいと思う(投資を投機にしてはいけない)。

※モメンタム投資においても、買うのはやさしいが、売るのがむずかしい。なので、損切りできない人や下がると売れない人は、このやり方を避けた方がいいだろう。

注意:モメンタム投資の記事を書きましたが、モメンタム投資をすすめているわけではありません。投資はあくまでも、自己責任でお願いいたします。

今回の記事:「株におけるモメンタム投資を深く考える」