今回は、堀江貴文さんの本の話をしたい。
ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく(著:堀江貴文)を読んだので、学んだこと・感じたことを書いておこうと思う。読んだ感想をひと言で表せば、「きれいにまとめましたね」ということだ。※皮肉にとれるかもしれないが(笑)、皮肉ではないので誤解なきよう。
ゼロを読めば、ホリエモンの生き方を垣間見ることができるかもしれない。
目次
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- 寂しがりや
- 人を評価するときはトータルの行動を見た方がいい
- 合理主義で失敗した
- 合理性から離れた部分が大事
- 自信は経験により作られる
- チャンスは誰にでもある
- 失敗に深入りせず成功に深入りする
- まとめ
寂しがりや
意外だったのが、堀江さんが「寂しがりや」ということだ。
「寂しい」という気持ちは、誰しも持つことがあると思うが、堀江さんの場合は、「朝から晩まで誰かと一緒にいたい」と思うほど極端なのだ。
堀江さんは、「ひとりになれる時間が必要だ」とか、「誰にも邪魔されない時間を持つ」という気持ちが全く理解できないそうだ。これまで、ひとりになりたいと思ったことがない、と明言している。
堀江さんは、思考型の(自分の時間を大事にする)内向的なタイプかな…と思っていたので、正直意外だった。メディアでの淡々とした話し方や表情を見ると、外向的なタイプというよりは、内向的なタイプに見える(やはり、他者とのコミュニケーションが不器用な性分だそうだ)。
だが実際は、外部からの刺激をエネルギーにする「外向型」のようだ。
人を評価するときはトータルの行動を見た方がいい
わたしは彼が飾らず(態度を加工せず)本音で淡々と話す姿を見て、内向的なタイプかな…と思ったのだが、この評価は間違いだったようだ。
実は、話し方だけを見て、その人が内向的か外向的か判断することはできないのだ(シャイかどうかは、判断できるが)。
たとえば、この動画を見てほしい。
スーザン・ケインさんという内向的な人のプレゼンだが、彼女の話し方を見ると、とてもそうは思えない。内向的な人は、(外向的な人と比べると)プレゼンのような人前でのアウトプットは好まないだろう。だが、好きではなくても経験を積めば、上手にできるようになるのだ。
なので、人を評価するときは、トータルの行動を見た方がいい。
ある場面での話す姿を見ただけでは、評価できない、ということだ。堀江さんの場合も、以前のメディアへの露出ぶりを考えると、人前でのアウトプットを苦にしないタイプだと考えることができる。そこから、外向的な人だろう…と判断することもできたはずだ。
合理主義で失敗した
堀江さんは、自身のことを徹底した合理主義者だった、としている。
そして、システムが変われば国(根本)が変わる、とし、ファクト(事実)にこだわり、言葉よりも結果を残すことを優先し、語るときも感情より論理の言葉を重視した、と語っている。
そのことは、正しいようにも感じるが…
理詰めの言葉だけでは納得してもらえない
失敗を通じて、理詰めの言葉だけでは納得してもらえない、ということがわかったそうだ。
「人」を理解してもらい受け入れてもらうことが先で、そのためには言葉を尽くして(自分のことを)丁寧に説明しなければいけない、ということだ。
この点はそのとおりだと思う。たとえば、このことがわかっている営業マンは、顧客に対し、自分がどういう人間なのかを伝えようとする。世間話の中で「既婚、子供あり」などのプライバシーを意図的に開示して、顧客に共感を持ってもらうこともあるのだ。
合理性から離れた部分が大事
以下の記事の中で、
人を動かす影響力を持つためには、ロゴス(ロジック)、パトス(情熱)、エトス(信頼)が必要だと書いたが、理詰めの言葉(ロゴス)だけではダメなのだ。合理性とは離れた部分にも、信頼を勝ち取る要素がある…と考えた方がいいだろう。※その部分の方が大きいかもしれない。
自信は経験により作られる
物事に怖気づく理由は、自信の問題だとしている。
たとえば、異性に怖気づくのは、ルックスの問題ではないし、社会的なステータスの問題でもない。異性とのコミュニケーションに、自信があるかないかの問題だ。
たしかに、自信のない人は、ルックスが良くても、社会的なステータスがそこそこ高くても、「自分より上はいる」とマイナス思考で凹んでしまう。自信のある人は逆だ。「どうして、お前がそんなに堂々とできるのか?」と、こちらが訝しくなるぐらい、堂々としている(笑)。
堀江さんによると、この自信は「経験」からくるものだそうだ。
たしかに、それはあると思う。怖気づく人は、経験を積むことに対しても怖気づくのだ。「苦手だから」、「嫌だから」ということで、その場から逃避してしまう。その結果、経験を積むことができず、いつまでたっても、怖気づいてしまうのだ。※いつまでたっても、経験値が上がらない。
チャンスは誰にでもある
チャンスは誰にでもある、としている。
チャンスだけは誰にでも平等に流れてくるものだからだ。
出典:ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく p.100
そして、流れてきたチャンスに飛びつけるかどうかが鍵になる、としている。
堀江さんによれば、チャンスに飛びつくためには、「ノリのよさ」が必要だそうだ。ノリが悪ければ、フットワークも重くなり、チャンスを逃してしまう、ということだ。
失敗に深入りせず成功に深入りする
ただ、「ノリのよさ」で飛び込むと、当然失敗もあるのだろうと思う。
“ホリエモン”こと堀江貴文氏(43)が約56億円の現金をだまし取られたとして、米テキサス州で訴訟を起こしていたことが分かった。
出典:ホリエモンが56億円”宇宙詐欺”にあっていた!|週刊文春WEB
失敗も成功もトータルで考えると、プラスになるということだろう(成功ばかりではない、ということは明らかだ)。なので当然、ある程度の失敗は想定しているはずだ。
失敗はたくさんしてもいいのだろうと思う。勝敗数の問題ではなく、ユニクロの柳井さんの本のタイトルのように1勝9敗でもいいのだろう。
ただし、失敗だと思えば、深入りせず、すぐに退却することが大事だ(成功には深入りすべき)。そうすることにより、失敗の数が多くても、トータルでプラスにすることができるのだ。
まとめ
今回は、堀江貴文さんの本「ゼロ」を読んだ感想などを書いた。
理詰めの言葉だけでは、納得してもらえない…というのは、そのとおりで、そのほかに、情熱や信頼が必要だ。最も時間がかかるのが、「信頼」で、信頼を得るためには自分をオープンに開示する必要がありそうだ。慎重な人や内向的な人には、なかなかむずかしいことかもしれない。
自信は経験で作られる…ということも、事実だろう。経験がないことは、不安だし先が見えないので自信の持ちようがない。根拠のない自信は持てるかもしれないが、根無し草のようなもので、そんな自信はあっと言う間に打ち砕かれるだろう。自信を持ちたければ、経験することだ。
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今回の記事:堀江貴文さんの本「ゼロ」を読んだ感想