池上彰さんが、著書の中でこう書かれています。
官僚と付き合うこともありましたが、「この人、なんでこんなにプライドが高くて、エラそうな話し方をするんだろう」という人は、いつしか姿を消していきました。
出典:「伝える力」 p.36
池上さんは、仕事を通じて官僚とつき合いがあったそうですが、プライドが高い人は、いつしか姿を消したそうです。逆に、話をきちんと聞いてくれる人は、どんどん出世して行ったそうです。
※たしかに会社でも、プライドの高い人が姿を消す可能性は高いと思います。
目次
- 目次
- 自己評価が高すぎる
- 嫌な態度として表に出る
- 自信がないからプライドが高くなる
- 他人を下げて自分を上げようとする
- プライドが高い人は影響力を持てない
- 合理的な意思決定ができない
- 伸びが悪く成長できない
- 助けを求めることができない
- まとめ
自己評価が高すぎる
ではなぜ、そんなことになるのでしょうか?
プライドの高い人は自己評価が高く、「自分は他人とは違う」と考えています。
※自分に対する自信のなさなどから、そう考えたいのかもしれません。
自己評価が低いより高い方がいいではないか…それはそうなのですが、自己評価が、ある一定のラインを超えてしまうと問題になります。自己評価の高すぎる人は、「自分は人と違う」、「自分は他人より上だ」という意識が常にありますので、人を見下してしまいがちになります。
嫌な態度として表に出る
人を見下してしまうと、それは態度に表れます。
あなたもこれまでの人生の中で、一度や二度は相手に見下されているな…軽く見られているな…と感じたことがあると思います。そのような態度は、敏感に相手に伝わります。
そして、「高慢で嫌なやつだ」という悪評価になります。
プライドが高い人は、「自分はまわりから嫌われている…」と薄々感じていますが、柔軟性を欠き頑固(意固地)なところがあるので、なかなか態度を改めようとしません。
※「相手の嫉妬」と見なし、切り捨てることもあります。
自信がないからプライドが高くなる
プライドが高いのは、自分に自信がないからかもしれません。
プライドの高い人は、自分の欠点をよく知っており、それを他人から隠したい、他人に知られたくない、と思っています。このタイプの人は他人からの評価を人一倍気にするため、自分の弱みを他人に見せたくないのです。そして、自分の身を守る「鎧」として、プライドを身にまといます。
※このタイプの人には、「自意識が強い」という特徴があります。
弱みを受け入れた方がいい
人に好感を持たれる人というのは、自分の弱みを素直に表現できる人です。自分の弱みを必死で隠そうとする人ではありません。
なので、自分の弱みを外部に表現できなくても、自分でそれを認めて、その弱点も含めて自分なんだ…と受け入れる方がいいでしょう(そうすれば、隠す気持ちがなくなります)。
※また、「強み」と「弱み」は表裏一体なので、弱点も考え方によっては個性になります。
弱みを隠そうとする人が、他者から好感を持たれることはありません。
他人を下げて自分を上げようとする
プライドが高い人は、他人を下げることにより、自分を上げようとします。
このタイプの人の砦(とりで)は、自己評価です。
この自己評価を揺るがすような他人の存在は、容認しがたいものがあります。したがって、自分より地位の高い人間、優秀な人間の「あら」を見つけ、批判します。批判精神が旺盛で、上司や組織をよく批判します。また、自分よりできの悪い人に対しても容赦なく批判します。
※他者を下げることにより、自分を上げようとします。
プライドが高い人は影響力を持てない
プライドの高い人には、(ある意味)優秀な人も多いので、彼らは他人の「あら」を見つけるのが上手く、理路整然と批判することができます。
でも、気持ちの余裕や優しさがないんですね。したがって、このタイプの人がまわりの人に対して、プラスの影響力を持つことはありません。
プライドの高い人は、自分はこの組織で能力に見合う影響力を持てない…と感じたら、自ら去って行きます。ある意味潔いとも言えますが(笑)、だから、姿を消すことになるのです。
※自分の評価に対する不満や理想と現実のギャップを感じ、自ら姿を消します。
合理的な意思決定ができない
プライドの高い人には、比較的「柔軟性」や「粘り」がありません。
資金繰りが苦しいのに、銀行に頭を下げるのがいや…それだけの理由で会社を潰してしまう経営者がいます。あの嫌味な担当者に頭を下げるぐらいだったら…その気持ちはわかります。
※我慢に限界があることもわかります。
しかし、経営者として守るべきは、会社であり個人のプライドではありません。個人のプライドを優先させ失敗するのもひとつの道ですが、そうであれば経営者になってはいけません。
プライドの高い人は、本当に大事なものよりも、自己のプライドを優先してしまいます。それが一番大事だ…と考えていますが、当然そこには「認知のゆがみ」があります。
※自分の認知のゆがみには、気がついていないか、軽視しています。
伸びが悪く成長できない
プライドの高い人は、なかなか成長できません。
このタイプの人は、人に頭を下げることが苦手です。なので、人に教えを乞うことができません。他人の話を素直に聴くことも、難しいのではないでしょうか。※傾聴力に劣ります。
プライドの高い人が、普段見下している相手からの話を、真摯に聴けるとは思えません。成長するためには、「自分は知らない」ということを、知らなければいけません。つまり、謙虚になる必要があるのですが、このタイプの人にそれを求めるのは酷かもしれません。
助けを求めることができない
また、プライドの高い人は、人に助けを求めることができません。
自分の弱みを相手に見せたくないとか、相手に借りを作りたくないとか、その人なりの理由はあると思いますが、とにかくプライドが障害となり、人に上手く助けを求めることができません。
チームで仕事をする場合、人に助けを求められないと、思うように成果も出ない…ということになります。結果、このタイプの人は成長率が低くなり、他者に追い抜かれやすくなります。
まとめ
プライドの高い人は、そのうち消えていきます。
仮に元の能力は高くても(高い人も多い)、成長できないため、後ろから来た人に追い抜かれてしまいます。これは、このタイプの人にとっては、到底容認できないことでしょう。
※自分が最も大事にしているプライドが、傷つくことになります。
また、人間関係でも問題を起こしやすく、その場に居ずらくなる、ということもあります。そんなこんなで、表舞台から姿を消すことになるのです。残念な人生になる可能性が高いですね…
※プライドの高い人は、キャリアダウンの転職をしがちです。キャリアダウンの転職をしたあとに、それまで自分がいかに恵まれていたか気付くことになります(後の祭り状態ですね)。
行動メモ:
プライドの高い人は、時間と共に消える。生き残りたければ、プライドを下げる。
不要なプライドが高ければ、1)うざいやつ・面倒でいやなやつ、という評価になる、2)結果、影響力を持てない、3)合理的な意思決定ができない、4)伸びが悪く成長できない、5)人に助けを求めることができない、ということになる。※つまり、デメリットが大きすぎる。
このデメリットを強く意識することで、自己のプライドを下げる。
今回の記事:「プライドの高い人は消えていく」