人を見下す・バカにする人の心理5つ
人を見下したり、バカにする人がいると思う。
身近にそういう人がいればイラッとするものだが、「お前は一度も人を見下したり、バカにしたことはないのか?」と問われれば、「一度もありません」と言える人は少ないと思う。特に人として未熟な時期というのは、(勘違いも入るため)そういうことをしがちになるのだ。
今回は、人を見下す・バカにする人の心理について書いてみたい。
目次
- 目次
- 優越感を感じたい
- 背景に嫉妬がある
- 相手を下げて自分を上げる
- 劣等感が強い
- 自分より下の人を見下してしまう
- 比較が大好き
- 自分は違うと思いたい
- このタイプの人が成功することはない
- 完璧主義をこじらせている
- まとめ
優越感を感じたい
優越感を感じたいから、人を見下してしまう、ということがある。
優越感というのは、禁断の麻薬のようなものだ。人は優越感を感じると、気持ちが良くなる。
たとえば、「他人の不幸は蜜の味」という言葉がある。これは、他人が不幸になったことを、こっそり「ほくそ笑む」ということだ。もちろんそれが「不謹慎なことである」ということは理解しているが、その理解があっても、他人の不幸に満足して優越感に浸ってしまうのだ。
背景に嫉妬がある
この場合の相手は、自分が嫉妬している人物だ。
嫉妬の度合いが大きいほど、「ざまあみろ」、「してやったり」という気分が大きくなって、満足してしまう。また、嫌いでかつライバル視している人物であるほど、満足感が大きくなる。
この場合、嫉妬する相手に不幸がある、ということは、自分の相対的な幸せ度が上がる、ということになる。そのため、相手に対し優越感を感じ、気持ちが良くなる…というメカニズムだ。
相手を下げて自分を上げる
では、相手に不幸がない場合はどうだろうか。
相手に不幸がない場合、相手に対し優越感を感じようとすれば、「見下す」、「バカにする」という手段が手っ取り早い。客観的な実力や魅力で自分が相手を上回る、ということは困難だが、相手を「見下す」、「バカにする」という行為は、自分の意思で簡単にできてしまうためだ。
だが、そんなことをしていれば、まわりからは、「嫌な人だ」、「未熟で愚かな人だ」という評価を受けることになる。だから、優越感というのは、「禁断の麻薬」のようなものなのだ。
劣等感が強い
人をバカにしたり見下してしまう人は、劣等感の強い人だ。
劣等感が強くフラストレーションがたまっているため、優越感を欲する。
また、劣等感が強いため、他人に嫉妬しやすくなる。つまり、劣等感の強い人は、他人に嫉妬しやすく優越感を求めている人なのだ。そんな人が取り得る手段というのは、限られている。
嫉妬の対象になる人というのは、自分よりも優れた部分を持っている人だ。そんな人に優越感を持つことは容易ではない。なので、相手のあら探しをして欠点を見い出し、その点を見下したりバカにしたりするか、そうできなければ、ターゲット(対象になる人)を変えてそうするのだ。
自分より下の人を見下してしまう
劣等感の強い人が、自分より下だと思う人を見下す、ということはよくある。
また、自分に自信のない人やダメな劣等感を持つ人は、自慢をする。自信のない度合いやダメな劣等感の度合いが大きければ大きいほど、(あらゆる手を使って)自慢をしようとしてしまう。
出典:一流と呼ばれる人のコミュニケーション術
相手を下げると同時に、自分を上げようともする。
人をバカにしたり見下すことも、自慢をして自分を上げようとすることも、「補償」という行為だ。劣等感の強い人は、「補償」したい、なんとか埋め合わせをしたい、という気持ちが強くなるため、相手を下げたり、自分を上げたり、という不適切な言動をとってしまうのだ。
ある意味、(劣等感の強い人は)同情すべき人ではある。
比較が大好き
人をバカにしたり見下す人は、比較が好きな人だ。
人を比較をして、ランク付けする。そして、自分を脅かす存在がいると脅威に感じる。
そこで相手と自分を何とか差別化しようと考え、ライバルをバカにしたり見下そうとするのだ。ただし、自分的にはそうすることでランクを維持できる…と思うが、実際にはそんなことはない。※相手をバカにしたり見下せば、マウントできると考える。自分がそう思っているだけのことだ。
自分が比較しそうになったら…
比較の罠には、普通の人でも落ちやすい。
この罠を回避するためには、他人との比較ではなく、「自分との比較をする」というのがセオリーだが、そうできない場合は、前回の記事にも書いたように、自分の長所で勝負したり、「組み合わせで勝負する方法もある」と考えることだ。
単純な短距離走では勝てなくても、長距離走やハードルでは勝てる、ということがある。
たとえ、長距離走やハードルでも勝てなくても、水泳では勝てる、ということがある。とにかく、自分が勝負できるフィールドで比較することだ。間違っても、ライバルをバカにしたり見下すことで優位に立とうとしてはいけない。相手下げは、明らかに生産的ではない。
自分は違うと思いたい
自分は違うと思いたいから、人をバカにしたり見下す…ということがある。
これは、プライドの高い人にありがちなことだ。不要なプライドを持つ人の中には、「オレはお前とはレベルが違うので、お前とはコミュニケーションをとらない」とする人もいる。
そして、自分が見下した相手とは、言葉すら交わそうとしないのだ。
このタイプの人が成功することはない
このタイプの人が組織の中で成功する、ということはない。
池上彰さんが、プライドが高くてエラそうな話し方をする官僚はいつの間にか姿を消し、話をきちんと聞いてくれる官僚は、どんどん出世して行った…と述べているが、そのとおりなのだ。
プライドの高い人の砦(とりで)は、自己評価です。
この自己評価を揺るがすような他人の存在は、容認しがたいものがあります。したがって、自分より地位の高い人間、優秀な人間の「あら」を見つけ、批判します。批判精神が旺盛で、上司や組織をよく批判します。また、自分よりできの悪い人に対しても容赦なく批判します。
出典:プライドの高い人は消えていく
プライドが高い人も、他者を下げることにより、自分を上げようとする。
※そうすることで、自分を際立てようとする。
その結果、人をバカにしたり見下す…ということになってしまう。これは、学歴や実務能力とは関係のないことだ。高学歴で優秀だ…と一見評価される人の中にも、このタイプの人はいる。
もう一度言うが、このタイプの人が組織の中で成功することはない。
完璧主義をこじらせている
完璧主義をこじらせている人も、人を見下すことがある。
「他者指向型」の完璧主義者は、他者を見下し、他者に対して厳しいことを特徴とする。他者に完璧を求めるのはもちろん、その期待に応えられなかった者を容赦なく批判する傾向がある。
出典:完璧主義者には3つのタイプがある|カラパイア
学問的には、「他者指向型」の完璧主義者と呼ぶそうだ。
このタイプの完璧主義者は、自分にも厳しいが他人にも厳しい。自分はもちろん、他人にも完璧を求めるが、「それができない」とわかると、相手に厳しく接することになる(具体的には、見下すことになる)。レベルが低いと、厳しく批判・嘲笑してバカにしたり、見下してしまうのだ。
その時点で相手に対し、ある種の優越感を持つ。このタイプの人は、他者(他人の気持ち)や社会規範をないがしろにする傾向があり、反社会的な「暗黒タイプ」ということらしい…(笑)。
わたしも以前は完璧主義者に近かったので、このことはよくわかる。自分にも完璧を求めるが、他人にも完璧を求め、「こんなことがなぜできないのか…」とイライラしてしまうのだ(笑)。
まとめ
今回は、人を見下す・バカにする人の心理について書いた。
今回の記事で書いたのは、1)優越感を感じたい、2)劣等感が強く何とかしたい気持ちが強い、3)比較が大好き、4)自分は違うと思いたい、5)完璧主義をこじらせている、の5つだ。
優越感や劣等感の問題、プライドや気質の問題が絡み合っており、この問題を複雑にしている。
結局、人を見下す・バカにする人は、「自分には問題があります」と宣言しているようなものなのだ。その問題が何なのか、考えることも一興だ。そんな人が身近にいれば、その人の問題は何か考えてみるといい。自分がそうしそうになっても、自分の問題は何か考えてみればいい。
今回の記事「人を見下す・バカにする人の心理5つ」