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見返りを求めない人になる方法5つ

他人に対し「見返りを求めない人」になった方がいい。

その理由は、見返りを求めるデメリットが大きく、見返りを求めないメリットが大きいためだ

世の中には見返りを求める人が多いため、このタイプの人は、良い意味で他者と差別化できる、ということもある。「あの人は良い人だ」となりやすいのだ。※恋愛ではモテるだろう。

ただ、見返りを求めない方がいいことはわかるが、「言うは易く行うは難し」で、実践するのはむずかしい。人には、「与えれば返ってくるのが当たり前だ」という意識があるためだ。

こちらから与えたのに相手から何も返ってこないと、がっかりしたり、腹が立ったりする。「ずるい人だな」とか「他人に対する配慮がなく常識のない人だな」と思ったりする(笑)。

今回は、見返りを求めない人になる実践的な方法について書いてみたい。

目次

 

見返りを求めないために

損を知る

まずは、見返りを求める損を知ることだ。

なぜ人が見返りを求めるか、といえば、「自分が損をする」と思うためだ。自分の時間と労力を費やして○○したのに、相手から何も返ってこない…これは「損ではないか」と思うのだ。

損失回避性の問題で、人は損に敏感なのだ。なので、見返りを求めると損をする、ということがわかれば、自然に「見返りを求めることをやめよう…」という気持ちになる。

「人間関係に損得勘定を持ち込まない」と高尚に考えて、見返りを求めないようにすることはむずかしいが、「見返りを求めると損をする」と俗に考えて、見返りを求めないようにすることは比較的容易だ。わたしたちが、損をするのは嫌だ…という気持ちを強く持つためだ。

腹を立てれば損をする

見返りを求める損については、前回の記事で書いた。

このとき、見返りがないと腹が立つ。相手に悪い感情を抱いてしまうのだ。そして、その相手に対する当たりがキツくなったり、「もう助けないよ」ということになる。そうすると、今度は相手が感情を害する。「不親切な人だ」、「感じの悪い人だ」ということになるのだ。
出典:見返りを求めなければ報われる

「見返りがない!」と腹を立てることで、人間関係が悪くなる…ということだ。

自分の時間と労力を費やして助けた相手に、「悪い感情を持たれる」ということでは、何をやっているのかわからない(笑)。そんなことであれば、最初から助けない方がマシなのだ。

セルフイメージが低下する

また、セルフイメージが落ちる、という損もある。

「見返りがない!」とイライラしている自分というのは、あるべき自分の姿ではない。

余裕がなく、器の小さい人間…ということになり、そのときは「みじめだな…」と感じることもあるだろう。これが、セルフイメージを落とした状態だ(こんなことになるのはつまらない)。

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得を知る

次に、見返りを求めない得を知ることだ。

わたしたちは、「自分が得をする」という話に弱い。古今東西、あやしげな儲け話にひっかかる人が絶えないことをみても、「自分が得をする」ことに目のない人が多いのだろうと思う。

だが、儲け話に目のない人が特別な人だ、ということはできない。我々の気持ちの中にも、「自分が得をしたい…」という気持ちはあるのだ。そうであれば、この特徴を利用すればいい。

求めなければ得をする

見返りを求めない得についても、前回の記事で書いた。

助けた相手から、感謝されやすくなるのだ。Give & take であれば、持ちつ持たれつのイーブンの関係だ、と感じるため、それほど相手に感謝することはない。だが、「与えられていることの方が多いな…」と思えば、感謝する。
出典:見返りを求めなければ報われる

見返りを求めなければ、助けた相手から感謝されやすくなる

相手がエゴイストでなければ、という条件はつくが、見返りを求めなければ、相手から感謝されることになる。このことは、普通に考えればわかるだろう。

あなたが誰かに助けてもらった。そのとき、相手があなたに見返りを要求すれば、ドッチラケになるだろう。感謝の気持ちも、一変に吹き飛んでしまうはずだ。

逆に、あなたが誰かに助けてもらった。その相手はあなたに何も見返りを求めない、ということであれば、あなたは相手に感謝の気持ちを持つだろう。「いい人だ」ということになるのだ。

※恋愛においても、モテやすくなるだろう。

好印象になる

人に好印象を持ってもらう、ということはとても大事なことだ。

自分に対し好印象を持つ人が増えれば、その分人間関係が上手くいくのだ。人間関係が悪い人というのは、このあたりの機微がよくわかっていない。もしくは、わかっていても実践できないのだ。

また、見返りは不要、とすると、セルフイメージが良くなる、ということもある。

情を深くする

他者に対する情を深くする、という方法もある。

情の濃い友人(親友)に対しては、「見返りを求めず、何かをしてあげよう」という気持ちになるが、情の薄い友人(知り合い程度)であれば、見返りのことが頭をよぎるかもしれない。Give & take だよね…と思うのだ。
出典:見返りを求めなければ報われる

相手に対する情の度合いと、見返りを求める度合いには関係があるのだ。

相手に対する情の度合いというのは、「相手との距離」としてもいいだろう。

相手との距離をとりがちな人は、give & take だ。与えたら見返りを期待するし、与えられたら返しますよ、という普通のタイプだ。

相手との距離をとらない人は、見返りを求めず与える方だ。相手を自分に近しい仲間だと考え、見返りを求めず与える、ということになる。このタイプの人が上司であれば、部下の面倒見のいい上司、ということになる。当然、面倒を見てやったからお返しをしろ、とは思わない。

仲間だと思う

他者に無償の愛を与えよ…とまでは言わないが(笑)、会社の同僚や学校の同級生を仲間だと思った方がいいのだ。そうすることで、情が深くなり(距離が近くなり)、彼らに対し「見返りを求めず、何かをしてあげよう」という気持ちが生じる。結果、他者に親切になれるだろう。

期待値を下げる

他者に対する期待値を下げる、という方法もある。

なぜ、見返りがないとイラッとするのか…と考えると、他者に対して期待しているためだ。

その期待自体は、決して妥当性を欠くものではないが、妥当であるかどうかは別にして、期待しているから期待を裏切られたときに腹が立つのだ

たとえば、あいさつをして無視されるとイラッとする。こちらがあいさつをしたとき、相手はあいさつを返すだろう…と期待することは、極めて妥当だろう。当然のマナーだからだ。

だが、そう期待することで、相手に期待を裏切られたときにイラッとする、というのは事実だ。そうであれば、あらかじめ他者に対する期待値を下げておく、という手も考えられる。

他人に期待しない方法:他人に期待しない方法4つ|生きづらさを感じたら試す

少数だが、あいさつを無視する人がいる、という事実を踏まえ、(期待値を下げ)「あいさつは、無視されることがあるのだ」としておけば、それほど腹も立たないものだ(笑)。

自分を振り返る

わが身を振り返る、という方法もある。

「あいつにあれだけのことをしてやったのに、見返りがないな…」と感じたら、自分のことを振り返ってみよう。自分は何かをしてもらったとき、ちゃんと相手に返したのか…ということだ。

完璧に返している、という人はほとんどいないだろう。

たとえば、あいさつひとつにしてもそうだ。「あいさつをしたが相手に無視された…」そんなときは、自分はいつもキチンとあいさつできているのだろうか…と、わが身を振り返ればいい。

あいさつをスルーした

自分のことでいえば、

私が歩いているとき、横から突然あいさつの言葉が聞こえてきたのだが、「まさか、自分にあいさつをしているわけではないだろう…」と思い、目線すらそちらに向けることなくスルーしてしまったのだ。私はそのまま歩き続けたのだが、背中に妙な視線を感じた。そのとき、突然「これはヤバい…」と冷や汗が出た。「あの人は、自分にあいさつをしたのだ…」とわかったからだ。
出典:あいさつをしない部下にあいさつをさせる方法

結果的に、あいさつを無視する形になったことがある。

このほかにも、考えごとをしていて相手のあいさつをスルーしたり、咄嗟のことでキチンとあいさつできなかったこともある。※他者のそういうシーンを目にすることも普通にある。

このように、わが身を振り返ると、返ってこなくても仕方なし、と思えるのだ。

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見返りを求めない方法 - サマリー

まとめ

今回は、見返りを求めない人になる実践的な方法について書いてみた。

今回の記事で書いたのは、1)見返りを求める損を知る、2)見返りを求めない得を知る、3)他者に対する情を深くする、4)他者に対する期待値を下げる、5)わが身を振り返る、の5つだ。

このほかにも、普段から「これまでに誰かから受けた恩を返すつもりでいる」という方法もある。

そうすれば、誰からも見返りを求めなくなる、とする考え方だ。過去に誰かから受けた恩を返すつもりで、目前の他者のために何かをする、ということになるため、見返りが不要になるのだ。恩を受けた、という認識がなければ難しいが。

高尚な考えに基づき、見返りを求めない、というのはむずかしいし、無理にそうする必要もないだろう(恥ずべきだ…としても響かない)。俗なアプローチでも、結果的にそうできればいいのだ。

今回の記事:「見返りを求めない人になる方法」