スピーチのコツ|緊張を克服する
スピーチをする際、最初に克服すべきは「過度な緊張」だろう。
過度に緊張すると、極端な守りの姿勢に入り、蚊の鳴くような声になったり、聞き手をまともに見ることができず、視線を下に落としたままボソボソ話す…ということになりかねない。スピーチの最中に声が震えたり、足が震えたり…ということもあるだろう(そう珍しいことではない)。
今回は、スピーチのコツ(緊張を克服する)について書いてみたい。
目次
話すときに緊張する
スピーチの際、かなり緊張する…ということがある。
自分が聞き手に値踏みされているような感覚に陥り緊張する、ということがある。
下手なスピーチをすると、自分の評価が下がる。そのことがプレッシャーになり緊張するのだ。自分のダサいところを見られるのが恥ずかしい、そういう姿を見られると今後やっていけない…という気持ちがプレッシャーになったりもする。
単にたくさんの視線の集中が怖くて緊張する、ということもある。
緊張を克服する方法は
緊張してOKとする
緊張する人は、聞き手に緊張を悟られまい…とする。小心者とそしられるのが嫌なのだ。
スピーチの前に緊張するのは当たり前のことで、(経験を積んだ人であれば)誰しもそういうことは知っている。なので、震えたり足がすくむほど緊張してもOKだ、とゆるく考えておく。
感度が高くなると緊張の度合いも大きくなるが、それも個性である。
チャレンジ反応を選ぶ
ストレスの反応は、幸運なことに自分で選ぶことができる。
スピーチの前にストレスを感じたら、チャレンジ反応を選びたい。
チャレンジ反応を選んでも、呼吸が浅くはやくなったり、心臓がどきどきしたり…ということはある。それはそれでいいのだ。それらに加えて「やる気」も出る。この点がこの反応のポイントだ。
最悪でも身の危険はない、と思って腹をくくれば、この反応を選ぶことができるだろう。
自分から目を合わせる
自分から目を合わせに行く、という方法がある。
スピーチで緊張する人は、聞き手の視線を負担に感じるので避けよう…としてしまうが、そういう逃げの姿勢が緊張を呼びこむ、ということがある。「圧力から逃げている自分ってダメだな~」と弱気になってしまうためだ。
スピーチであまり緊張しない人は、アイコンタクトをする。
あまり緊張しないからアイコンタクトできるのだろう…と思うが、アイコンタクトするから緊張しない、という逆のパスもある。
聞き手と目を合わせれば、聞き手は自分がリスペクトされている、と感じる。聞き手がそう感じれば、場の雰囲気が良くなり比較的緊張せずに話せるのだ。
アイコンタクトをすれば、自分はOK、と思えるはずだ。
聞き手を味方だと思う
聞き手は、自分に好意を持つ味方だと思えばいい。
だから、失敗してもフォローしてくれる…ぐらいに思っておけばいい。
敵だと思えば身構えたくなる。あら探しをされると思えば、身を固くしてミスをしないように…と思ってしまう。こういう認知が緊張につながるので、自分に都合よく考えればいいのだ。
※聞き手は、縁あって自分の話を聞いてくれるのだから、ある意味「縁者」である。
聞き手をかぼちゃだと思う?
聞き手をかぼちゃだと思えば緊張しない、という話がある。
スピーチは人に伝えるものなので、そうしてはいけない…とする人もいるが、緊張をほぐす一助にはなり得る。がぼちゃの前だと自意識などはなくなるし、かぼちゃに自分が評価される…と思うこともない(笑)。かぼちゃの視線を負担に感じることもない。
だから、聞き手をかぼちゃだと思うことで緊張しないのであれば、そうしてもいい。
ただし、今述べたように「人に伝える」という点では不利になる。自分から目を合わせることがむずかしくなるし、聞き手を「自分に好意を持つ味方だ」と考えにくくなるかもしれない。
※コミュニケーション的には不利になるかもしれない。
役を演じる
自分を「スピーチする役である」と認知する方法がある。
話し手を演じる、ということだ。
役者さんでも、素ではひどく緊張する、という人がいる。しかしそのタイプの役者さんでも、演技は堂々としたものだ。緊張の気配などみじんも見せない。「さすがプロフェッショナルだな~」と思うが、実は緊張する人は、演じることが得意なのだ。
ただ、そのことに気付いていないだけだろう。
手本になる誰か(映画などに出てくる登場人物でもいい)をイメージして、演じてみよう。スピーチのシーンは、注意してみれば結構あるものだ。普段から意識していれば引っかかってくる。
準備をやり倒す
事前の準備をやり倒す、という方法がある。
あるTEDの講演者は、18分のスピーチをするために、200回リハーサルを行ったそうだ。
1分間にすると、11.1回になる。
すなわち、2分のスピーチであれば22回、3分のスピーチであれば33回リハーサルをすればいい、ということになる。
これぐらいやれば、自然に身体がスピーチを覚えてしまう。そうすれば、内容の再現(記憶の再現)にリソースを使わなくて済むので、伝える余裕ができて緊張がほぐれるのだ。
リハーサルは、時間を適度に空けて何度も繰り返したい。
スピーチのコツ - サマリー
まとめ
今回は、スピーチのコツ(緊張を克服する)について書いてみた。
今回の記事で書いたのは、
1)緊張してOKとする、2)チャレンジ反応を選ぶ、3)自分から目を合わせる、4)聞き手を味方だと思う、5)聞き手をかぼちゃだと思う?、6)役を演じる、7)準備をやり倒す、の7つになる。
当然、組み合わせをすべきだ。たとえば、2と6と7を組み合わせる方法がある。
スピーチをする役を演じる、とし、事前のリハーサルをやり倒せばいい。本番では、最悪でも身の危険はない、と思って腹をくくり、目の前のやるべきことに集中すればいいだろう。
そうすれば、過度な緊張がなくなり、いいスピーチになるはずだ。
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今回の記事:「スピーチのコツ|緊張を克服する」