ドラマ「スーツ」シーズン2をまとめてみたい。
シーズン2では、社内抗争がメインになる。
敵役のハードマンが手強く、緊張感をもたらしている。追放されるまで事務所のトップを務めていただけあって、ジェシカやハーヴィより優秀なのではないか…とさえ感じることがある。ドナやマイクは、この抗争に巻き込まれることになる。そして、それぞれの「裏切り」が生じてしまう。
※社内抗争は、ジェシカとハーヴィの抗争も含む。
今回は、ドラマ「スーツ」シーズン2をまとめてみたい。※ネタバレがある。
目次
あらすじなど
全般
D.ハードマンとのバトルがメイン。
ジェシカとハーヴィは、ハードマンの復帰を阻止しようとするが失敗する。
ハードマンは、ハーヴィ(ジェシカ)が脅したため復帰することにした、とうそぶく。ハードマンが復帰後、社内抗争がはじまる。その抗争に巻き込まれ、後にドナが事務所をクビになる。
※ドナは(自分と?)ハーヴィを守るため、マイクの信頼を裏切る行動を選ぶ。
ルイスが抗争のキーマンになる。
ハードマンはルイスを味方に引き入れるため、昇進を餌にする。ルイスにとってシニア・パートナーになることは、最も重要なことだ。これを餌にされれば食いつくしかない。ハードマンは、相手が重要だと思っていることを的確に狙う。
ジェシカもルイスを味方にしようとするが、ハーヴィの懐柔は失敗する。この失敗を布石にしたジェシカは、自らルイスを懐柔しようとする。だが、うまくいかない。どうするジェシカ…。
ジェシカ vs. ハーヴィへ
話は飛ぶが、社内抗争はジェシカ vs. ハーヴィになる。
ハードマンとのバトルで疲弊する事務所。人材の流出や資金不足に悩まされる。
その状況を打開するために合併を進めるジェシカと合併に反対するハーヴィ。両者の利害がガチンコでぶつかる。ハーヴィのために働くマイクだが、ジェシカの脅しに屈し彼を裏切ることになる。
学歴詐称がばれる
ジェシカは、マイクのハーバードローの学籍は認めたが、学士の資格がないことから詐称を見抜く。
ジェシカはハーヴィに対しマイクをクビにするように命令するが、マイクをクビにするなら自分も辞めるとし、マイクのクビを体を張って阻止する。余談だが、なぜハーヴィがそこまでマイクに入れ込むのかわかりにくい。マイクより大事な存在であるはずのドナのクビは阻止していない。
ジェシカはハーヴィと対立した際、この件を脅しに使いマイクの行動を制限した。
マイク – 成長+裏切り
レイチェルと付き合おうとするが、自分の秘密の秘匿を優先せざるを得なくなり断念する。
私生活では、薬+不倫でだらしないところを見せる。
※自ら不倫を始めるが、不倫相手をあっさり切る…という身勝手なところも。
ハードマンとの社内抗争では、最高のタイミングで切り札(はったり)を切った。要所でアイデアを出し、ハーヴィを助ける。上司の許可を得ず大胆かつ積極的に行動することから、「もうひとりのハーヴィー」という評価を得る。
祖母に新居をプレゼントしようとするも、その直前に祖母がなくなる。葬儀では印象深い日の祖母との思い出をユーモアを交えながら語る。祖母への愛情が伝わるとてもいいスピーチだった。
ジェシカとハーヴィの抗争では、ジェシカに脅され(結果的に)ハーヴィを裏切ることになる。
相手に押されると…
弁護士として成長したマイクだが、相手に押されると、鳩が豆鉄砲を食ったような顔になる。ビックリ顔でフリーズする、みたいな感じ。女性からすると、その表情がかわいい…となるのか。
ルイス - 承認欲求
社内抗争(vs. ハードマン)のキーマンがルイスだった。
ルイスは、ジェシカとハーヴィの承認が欲しくてたまらない。しかし、その承認欲求は満たされない。それどころか、ハーヴィに絶縁を言い渡され、一時は退職を決意する。
アソシエイトに内定を出したが、内定を撤回しろと命令される。
後に、ハーヴィがカトリーナを雇ったことを知り、ジェシカに「理不尽なことをされた」と思い、不満を募らせる。その後、カトリーナとは、やられたらやり返す…の激しいバトルを繰り広げる。
ハーバードローからシーラが視察に来る。シーラとケミカルが合い、付き合うことになる。
レイチェルには情を示す
レイチェルが不合格になったとき、自分が間違いを正すと意気込む。シーラに掛け合うが、レイチェルは実力で落ちたと知る。そのことを知りつつ、レイチェルには自分のせいだ…と告げる。
ただし、裏切りも…
やり合いはあったが意気投合したカウンターパートのナイジェルを裏切る…ということもあった。
※猫や演劇、バレエ、泥風呂が好きなことが明らかになる。忘れてはいけないのが、536時間録音できるレコーダーを手に入れたこと。ハードマンからのプレゼントだった。
レイチェル - 燻る
マイクへの想いを燻らせるレイチェル。
以前、同僚と付き合っていたこと、不倫経験があることなどが明らかになる。
※付き合った同僚は、レイチェルと別れた2か月後、仕事が手につかなくなりクビになる。
LSATで172点(高得点)を取り、ハーバードローへ出願する。結果は不合格。ルイスから自分のせいだと聞き憤り、学校に抗議しようとする。マイクを引っぱたくシーンも…。
※ルイスと心を通わせるシーンもあった。
感想・みどころ
癖のあるハードマン
ジェシカと敵対するハードマンだが、もとはジェシカの恩人である。
※ジェシカは、「ハードマンのおかげで今がある」という言葉を発している。
ハードマンを演じるデヴィッド・コスタビルは、「ダメージ」でも癖のある役を上手く演じていた。わたし的には、黒い小日向文世というイメージだ。ジェシカとの社内抗争に敗れたあとも、罠をはりジェシカを引っかけた。優秀だが卑劣な手を使う策略家。敵にすると手ごわい相手だ。
ドナの洞察がすごい
相変わらずドナの洞察がすごい。
ハーヴィの何気ない言葉やネクタイの色で、マイクの詐称がジェシカにばれたことを知る。
ルイスのスーツで昇進を知る、ということもあった。さらに、ハーヴィの出社時間で、ハーヴィの昨夜のデートが上手く行ったかどうかがわかる。ハードマンの不倫に気が付いたのもドナだ。
※「メンタリスト」のパトリック・ジェーンかと思ってしまう。
映画などへのメンション
シーズン1での映画ネタが好評だったのか、シーズン2では数が増えている。
※その分、浅くなった感じはする。
シーズン2では、グッドフェローズ、ハイランダー、炎のランナー、大逆転、スタートレック、RONIN、卒業、トッツィー、A Few Good Men、L.A. Law、マグノリアの花たち、グリース2、
フェリスはある朝突然に、アマデウス、スーパーマン、バットマン、ダウントン・アビー。マイクが自宅で「アーノルド坊やは人気者」(Different Strokes)を見ていたのには笑った。
ハーヴィのイメージが…
シーズン1では、NYで1番のクローザー、超クールでカッコいい…というイメージだったが、
シーズン2では、ハーヴィのイメージがやや崩れる。
ペンをなめて書類にサインする、というシーンがあるが、これはおやじの仕草だ(笑)。
また、感情的になる、というシーンもあった。タナーを殴ったり、ハードマンに社内抗争で負けたときは、衝動的に行動しようとした。
クールでカッコいいという感じではなくなってきている。よく言えば、人間味が出てきた…ということだろうか。
※優秀な子供(マイク)に助けられるお父さん…という感じもする(笑)。
ジェシカに「思いやりのないふりをして、実は同僚や上司を気遣っている。依頼人を大切にしているのに、それを認めようとしない。思いやることの何が悪い?」と言われたこともある。
※思いやりは人を弱くする、と返したが、そこにハーヴィの弱さがある。
おもしろい英語の表現
このドラマでは、「dick」という俗な言葉がよく出てくる。
※こういう俗語はすぐに覚えてしまう(笑)。
ハーヴィがルイスに対し、「You are the man」と言うシーンがある。ルイスはそれをこっそり録音し、浮かれて何度も再生する、というシーンが印象的だった。相手をほめるときに使う表現だ。
「the」がポイントになる。
似たような「the」の使い方がある。
スコットがハーヴィに対し、「One office, one city」(あなたのオフィスは1つの街ににしかないものね)と言った。その言葉に対しハーヴィは、「One office, the city」と返した。
ただの街ではなく、すごい街なんだよ…ということだ。
気の利いた表現がある
ちょっとしたおもしろい表現もあった。
「No more, no less」は、「それ以上でも以下でもない」という意味だ。
「Actions have consequences」は、「行動には結果が伴う」という意味。マイクが不倫相手の夫に殴られた後に、ルイスに発した言葉だ(ぼかした。具体的に何があったかは説明していない)。
「(The)Die has already been cast」は、「賽は投げられた」という意味だ。
缶切りの意味
缶切りを使った謎の儀式のことだが、
ハーヴィが昇進したときも、ドナが缶切りを持ってくる、と言った。
そのときハーヴィは、画鋲を3ダース持ってくる、と言った。ドナは記録に挑戦と答えている。
マイクとハーヴィでもこの儀式をやったらしく、画鋲は意味不明(マイク)、ビックリだろ(ハーヴィ)というやりとりがある。どうやら、缶切りと画鋲で定量的な何かをするらしい。
ドラマ「スーツ」シーズン2 - サマリー
まとめ
今回は、ドラマ「スーツ」シーズン2をまとめてみた。
シーズン2では、社内抗争がメインになった。ハードマンが敵役としてイケているので、おもしろくなった。※ジェシカ vs. ハーヴィの抗争も含む。
ラストは、衝撃的な展開になった。
あのとき、マイクがレイチェルの手を掴まなければ、離していればどうなったのだろうか。その場合、レイチェルは冷静になったはずで、行動が変わってくるはずだ。ここでもマイクは、ワンチャンをものにした。マイクは勝負強い。
最後に、上で言及できなかったジェシカの名言を紹介したい。
負けたときの言葉だが、「プライドは捨て、チャンスがくるまで耐える」、「ショックを受けているときに、人生を左右する判断をしてはいけない」の2つだ。これらは役に立つ言葉だと思う。
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今回の記事:ドラマ「スーツ」シーズン2 – 社内抗争、ドナ・マイクの裏切り