何をしても、続かない・続けられない…という人がいると思う。
学校や仕事が続かない、習いごとが続かない、地道な努力が続かない…など、いろいろあると思うが、これでは、成果をあげることがむずかしくなる。成果というのは、積み重ねた努力が閾値を超えることであがるためだ。積み上げることなしに成果があがることは、単にラッキーと呼ぶ。
今回は、続かない・続けられない人の特徴について書いてみたい。
目次
優秀なのに続かない
優秀なのに続かない、ということがある。
米国の陸軍士官学校(ウエストポイント)に入学するのは大変なことだ。
高校の成績は抜群でなければいけない。さらに、大学進学適正試験で高得点をとらなければいけない。体力テストでも高得点をとらなければいけない。加えて、一級の推薦状が必要になる。
すなわち、入学のむずかしさは、最難関の大学と同等以上としていいだろう。
最初の2か月で辞めてしまう
しかし、せっかく最難関の学校に入学したにもかかわらず、20%程度が中退するそうだ。
ウエストポイントでは、最初の2か月間に過酷な基礎訓練がある。この肉体的にも精神的にもギリギリまで追い込まれる過酷な状態に耐えきれず、やめてしまう…ということのようだ。
優秀さとは関係がない
続くか続かないかは、頭脳や体力の優秀さとは関係がない。
主に、認知的な問題(メンタルの問題)になるためだ。
現に、ウエストポイントでは、とても優秀とされるトップGの士官候補生は、底辺Gの士官候補生と同じぐらいの割合で中退するそうだ。会社でもダメな人と同じぐらい優秀な人が退社する、ということがある。つまり、そこで続くか続かないかは、頭脳などの優秀さとは関係がないのだ。
続かない・続けられない人の特徴
上下の波が大きい
上下の波が大きい、という人は、続かないだろう。
いいときは調子に乗って張り切るが、ダメなときはシュンとなってやる気を失う人のことだ。
ブログでは、PVがどんどん上がる、という状況ではやる気が出て俄然張り切る。記事を書くたびにPVが上がるように感じうれしくて頑張る。だが、状況が変わり、記事を書いてもPVが横ばいか下がる…という状況では、途端にやる気を失う。こういうタイプの人は、続かないだろう。
上の波が高くなると、下の波はその分低くなる。
耐性が低く脆い
続かない人は、耐性が低く精神的に脆い。
ブログであれば、何か月も結果が出ず低迷してしまうと、嫌気がさしてくる。
そこでやめてしまう。あきらめないとか、「何が何でも続けてやる…」という気持ちはない。
将来のないものに執着することはダメなことだが、将来のあるものに対し粘れないようでは、何をやってもものにすることはできない。耐性の低さや脆さというものは、自分に対する罪になる。
このタイプの人には、将来があるものでも、「ない」と安易に決めつける傾向がある。
自分にあまい
続かない人は、自分にあまいところがある。
やめても「まぁいいか~」と思い、安易にやめてしまう。
自分が成長しようと思えば、多少の負荷をかけなければいけない。負荷をかけながら行動することで、実力が少しづつ向上するのだ。自分にあまい人は、これができないので、成長が遅くなる。
安易にやめてしまえば、成長もないだろう。
人間関係に問題を抱えやすい
以下は特に、仕事が続かない…などの状況を考えてみよう。
人間関係に問題を抱えやすい人は、続けることがむずかしくなる。
このことは、普通に考えればわかるだろう。
人間関係の悪い職場には行きたくない(笑)。自分を嫌っている人がいる職場には行きたくないし、自分が嫌いな人がいる職場にも行きたくなくなる。人は嫌な思いをするのが嫌いなのだ。だから、自分を取り巻く人間関係が悪い…と思えば、「ここでやめてリセットしよう…」となるのだ。
好き嫌いがはげしい
人の好き嫌いがはげしいと、人間関係に問題を抱えやすくなる。
人を嫌うとその感情は相手に伝わる。心理的にも物理的にも距離をとろうとするためだ。
人が好きなのはいいことではないか…と思うが、嫌いとセットになっていると、人の好き嫌いで対応にハッキリ差が出たりするので、好ましくない。差別的な人だ…と見られる恐れがあるのだ。
人の好き嫌いがはげしいと、人間関係に問題を抱えやすくなり続かなくなってしまう。
ボトルネックを抱えている
極端に能力が劣る部分を抱えている人は続かない。
実際にはさほど劣らなくても、自分でそう思い込んでいる場合も含む。
たとえば、コミュニケーション能力が自分のボトルネックだ…と思っている人がいるとしよう。この人が営業に異動になると、やめることを考えるだろう。自分にはとても無理…と思うからだ。
ボトルネックに触れるような話になると、やめることを選択する。
心が弱い(ボラナブル)
心が弱いと何をやっても続かない。
以前の記事で、「心が弱い人の特徴」を書いたことがある。
1)かなり敏感である、2)かなり傷つきやすい、3)高圧的な人が苦手、4)叱られるのがとても嫌、5)ミスをかなり怖がる、6)積極的に行動できない、7)抑うつ的になりやすい、8)プライドは高いが自尊心が低い、9)意志が弱い、の9つだが、こういう人はなかなか続かない。
続けるためには、何らかの工夫が必要になるだろう。
続かない・続けられない人の特徴 - サマリー
まとめ
今回は、続かない・続けられない人の特徴について書いてみた。
今回の記事で書いたのは、1)上下の波が大きい、2)耐性が低く脆い、3)自分にあまい、4)人間関係に問題を抱えやすい、5)好き嫌いがはげしい、6)ボトルネックを抱えている、7)心が弱い(ボラナブル)、の7つだ。
続かない・続けられない…という裏には、問題がありそうだ。
冒頭で述べたように、積み重ねた努力が閾値を超えることで成果があがる、ということなので、続けることはマストになる。このタイプの人は、問題を認識し改善する努力をした方がいい。
※自分の大切な人生を、ラッキー頼りの人生にはしない方がいいだろう。
今回の記事:「続かない・続けられない人の特徴」
参考文献:GRIT A.Duckworth, Ph.D.