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井上尚弥の強さを分析する

井上尚弥のあの驚異的な強さは何だろう…と思う。

長谷川穂積がランカーを瞬殺していた時期があった。

あの当時はすごいな…と思って見ていたが、井上尚弥は世界王者クラスを次々に瞬殺している。長谷川選手は十分すごかったのだが、井上選手の場合は、現実離れした漫画のようなすごさ…としていいだろう。

今回は、井上尚弥の類まれな強さを分析してみたい。

 

井上尚弥に対する評価

すごい評価になっている

井上尚弥に対する評価が、すごいことになっている。

強い…以上です(長谷川穂積)、何十年ボクシングを見てきて、一番強いかなぁ(具志堅用高)、

すべての項目が満点(山中慎介)、ボクシングの神(川島郭志)、期待以上の結果を出し続ける選手(田中恒成)、差をつけられている(那須川天心)、階級を超えて世界最高のパンチャーだと確信した(WBSSのプロモーター)…井上尚弥は相当強い、という評価だ。

海外の反応も同じ:井上尚弥に対する海外の反応と評価 - ロドリゲスを破壊

PFPの上位に浮上…

当然のように、PFPの上位にランクされるようになった。

今は、世界的に知名度や人気もブレークし始めた…という感じだ。

井上の記事などに、外国人のコメントがどんどんついている。もしかすると、日本よりも外国での知名度の方が高いかもしれない。日本でも試合の視聴率が二桁にのったそうなので、人気は出始めている。

※ボクシングファンは当然知っているが、一般にも広く知られてきた…ということだ。

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井上尚弥の強さの秘密は

パンチが異常に強い

わかりやすいのがパンチの強さだ。

海外のボクシングファンは、(PFPにすると)ワイルダーより強いと評価している。

※彼のパワーはまさに本物だった(J.マクドネル)。

その理由だが、

井上選手はヒザの使い方が非常にうまく、下半身から上半身、腕から拳へと筋肉を連動させ、身体全体で生み出したパワーをパンチに乗せることができる
出典:FRIDAY DIGITAL

膝の使い方にあるようだ。

からだ全体で生み出したパワーを拳に乗せることで、異常なパンチ力を創出している。

猫の爆発的な跳躍、みたいな感じだろうか。猫は蹴り足の強さと柔軟な背骨で<ため>を作ることにより、爆発的な跳躍を創出する。井上選手は、同じようなことを蹴り足の強さと膝を使ってやっている、ということだ。

※当然、上下半身の筋肉も使う。

この連動能力の高さは、脳内のシナプスのネットワークとも関係があるだろう。人一倍才能のある人が人一倍努力すると(常人が届かない)超一流になるが、そういう稀有な例だろう。

当て勘がすごい

井上選手の当て勘がすごい。

そのガードの内側から入る軌道になるように角度を縦に変えて(縦拳で)、顔の正面をめがけたフックに変えることで、側面のガードが高かろうが関係ないパンチになりましたよね
出典:井上の圧勝劇を田中恒成はどう見たか 勝負の決め手は「左フックの角度」

カウンターで強いパンチを当てるから、おもしろいようにKOできる。

井上選手は、相手にパンチを打たせてカウンターをとる、という技術に長けている。さらに、相手を見ながら瞬間的に最善手を選んで行動に移すことができる。どの軌道が最善かということを瞬時に理解し、その軌道でパンチを打つことができるのだ。

すべてのオプションを高いレベルで実践できる、井上選手ならではの当て勘かもしれない。

ディフェンスが上手い

井上選手は、ディフェンスも一流だ。

だから、こっちのパンチも届く距離なんですよ。それが当たらない。スウェーとかステップでよけられちゃう。しかも、よけてから、どの体勢からでも軸がブレずに打ち返してくる。そのリターンが速いから、不用意に手が出せなくなるんです。相当、足腰が強いんだと思いますよ
出典:「井上君には勝てない、殺されちゃう」 スパーリング経験者が語る井上尚弥

反撃含みのディフェンスだから、相手は手を出し難くなる。

このディフェンスを可能にしているのは、体幹の強さだ。オフェンスのところで<ため>や連動の話をしたが、体幹はどちらにもかかわってくる。体幹が強いから、力を逃がすことなくためを作ったり、上半身と下半身のスムーズな連動が可能になり、力を無駄なく伝えることができる、というわけだ。

※ちなみに、現在のデイフェンスマスターは、ロマチェンコだ。井上選手は、ロマチェンコより1Rあたり3発多く被弾している。この差を詰めることができれば、PFP1位が見えてくる。

心がしっかりしている

井上選手は、心技体の「心」の部分もしっかりしている。

井上君は試合中に心の揺らぎがなかった。どんなときでも平然としているというか。心がしっかりしているから、あれだけのパフォーマンスができる。僕は闘ってみて、ハートがモンスターだと思いました
出典:井上尚弥に敗れた男が初めて明かす「モンスターの実像」

井上選手は心が安定しているため、安定的に高いパフォーマンスを発揮することができる。

井上選手は、恰好をつけたり、天狗になったりすることがないそうだ。また、素直さがあるため、人の話に聞く耳を持つそうだ。素直であるということは、普通の人が一流になるための必要条件だ。井上選手は、この条件をきっちり満たしている、ということになる。

才能があっても心に問題があれば、大成することはできない。

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井上尚弥の強さを分析 – サマリー

まとめ

今回は、井上尚弥の強さを分析してみた。

井上選手は心技体が高いレベルで揃っており、今のところ死角がない。

※井上の強さは本物だ。もはや逆張りする人以外は、誰も疑っていないだろう。

強いて弱点を挙げれば、ディフェンスということになるが、PFP上位のロマチェンコやクロフォードと比べたら…というレベルだ。井上のディフェンスは、PFPのレベルではない…とする意見もあったが、そういう意見の説得力はなくなってきている。

あとは、試合がもつれて長くなった時どうなるか…だ。

今のところ、バンタム級ではそういうことがない。バンタムに階級を上げて井上のキレと火力が増したために、相手がもたなくなっている。火力を増せば、その分エネルギーを使うので、もし長丁場になったときどうか…ということだ。

個人的には、懐が深く井上の入りにパンチを合わせるであろうテテとどう戦うのか見てみたい。

今回の記事:「井上尚弥の強さを分析する」