毎月の貯金額をいくらにすればいいのか…と考えることがあるだろう。
単純に手取り収入の%で考える、という方法もあるが、将来の大きな支出を見越して考える、という方法もある。たとえば、結婚して子供がいるのであれば、子供の大学にかかる費用が大きな支出になる。その費用から逆算して毎月の貯金額を決めればいい(貯金は早く始めた方がいい)。
今回は、毎月の貯金額をいくらにすればいいのか…について書いてみたい。
目次
毎月の貯金額は
手取りの10~15%が目安になる
毎月の貯金額は、手取り収入の10~15%程度というのが一般的だ。
手取りの年収を400万円とすれば、年間で40~60万円の貯金額になる。毎月の貯金額に直せば、3.3~5万円ということになる。この金額を見ると、妥当な水準、という印象を受ける。
当座の資金は3か月分必要になる
当座の資金は手取り月収の3か月分必要になる、とされる。
手取りの年収が400万円の場合、手取りの月収は33.3万円になる。この3か月分は、99.9万円だ。手取り収入の10%を貯金する場合は、30か月でこの金額に達することになる。
※15%の場合は、約20か月になる(まずまずいい線だろう)。
子供の大学にかかる費用から考える
子供がいる人であれば、子供の大学にかかる費用から考えるといいだろう。
※いなくても予定があれば、早くから考え始めた方がいい(早い方が有利になる)。
文系・理系、国立・私立、子の暮らしの形態、留学の有無などにより、費用は大きく変わってくるが、年間で300万円かかるとしよう。なので、4年間であれば、1200万円かかるとする。
0からこの資金を捻出するためには、毎月の貯金額をどうすればいいのだろうか。
定期預金を利用する場合は
銀行の定期預金を利用する場合から考えてみよう。
金利を0.25%としよう(2018年現在では、トップクラスの定期預金の金利になる)。
この金利を複利で回し10年で0から1200万円作ろうと思えば、毎月の貯金額は10万円になる。元金だけで1200万円になり、金利により+13.6万円にはなる(やや不満だ…)。
※堅実なディールだが、得をするディールではない。
たまる時期にためる+節約をする
お金がたまる時期に、しっかりためることが必要になる。
その時期とは、子供が中学生までの時期だ。この時期にしっかりお金をためる、という意識が必要になりそうだ(時期を逃すと取り返しがつかない)。さらに、この記事で書いたように、
お金を節約するには…節約する方法11つ - 不器用な生き方をやめたい
節約することが必要になる。
節約の本質は、不要なランニングコストをカットする、ランニングコストを不必要に上げない、ということだ。まずは、毎月、毎年定期的にかかる費用の洗い出し・見直しを行うことだ。
貯金を運用する場合は
貯金を運用する場合は…
時間を味方にするためには、ある程度の金利で複利運用する必要がある。
2.5%で運用する場合は、毎月9万円入れることで、10年間で1210万円になる。この場合は、金利により+130万円になる。定期預金と比べると決して悪くないディールになる。
※定期預金の場合は、毎月10万円貯金してやっと+13.6万円になる。
3%で運用する場合は、毎月8.8万円入れることで、10年間で約1210万円になる。この場合は、金利により+154万円になる。月に8.8万円であれば、現実味を帯びてくる。
子供が2人いる場合は…
子供が2人いる場合は、大学にかかる費用が2400万円になる。
定期預金を利用し、10年で0から2400万円作ろうと思えば、毎月の貯金額は19.8万円必要になる。金利による加算は、約27万円になる。19.8万円はかなり高いハードルだ…。
投資し3%で運用する場合は、毎月の貯金額は17.5万円必要になる。金利による加算は、約307万円になる。小さくない金額だが、定期預金と比べると月額で2.3万円少なくて済む。
※10年間にすれば、約276万円少なくて済む。
運用する場合はリスクがある
株式などで運用する場合は、当然リスクがある。
たとえば、元本が目減りする、というリスクがある。
元本が目減りしてしまっては、金利分のプラスがあっても、トータルではマイナスになる…ということがある。キャッシュを株などに置き換えることになるので、それを売れなければ、必要なときにキャッシュがない…という状況もあり得る。
※初心者にはリスクが高くなる(その分、リスクを限定できる上級者にはいいディールになる)。
毎月の貯金額を合理的に決める - サマリー
まとめ
今回は、毎月の貯金額について書いた。
子供の大学にかかる費用から逆算して考えると、10万円以上ということになる。
※2人であれば、20万円以上になる(0から10年間でためる場合)。
毎月10万円貯金する、ということは、かんたんなことではない。支出が少ない時期にしっかりためることと、ランニングコストを節約することはマストになる。
運用を考える
自分は資産の運用ができる、リスクをとってもいい、という人は、運用を考えた方がいい。
運用と言っても、株などを売買して運用益を得るということではなく、配当等のインカムゲインを得る、ということだ。中級者以上であれば、2.5~3%程度で回すことは十分可能だろう。
時間の経過を利用するためには、ある程度の金利で複利運用する必要がある。
今回の記事:「毎月の貯金額を合理的に決めておきたい」